No.60

由美グルメリン No.1‥『和のふるせ』“リフォームフェア”日本橋高島屋8階 ギャラリー♪  銀座「源 吉兆庵」ビル“懐石料理”『松濤』葉月の膳♪
 
梅雨明けて   心開きし   女かな    ―稲畑廣太郎
 
関東地方では平年より12日遅く、ようやく“梅雨明け”となりましたが、葉月を迎えた週末はいかがお過ごしですか?
8月は、“和風月名”で「雁来月」「秋風月」「桂月」「草津月」など幾つもの涼やかな名がありますが、旧暦の8月「葉月」の語源は“葉の落ちる月”の「葉落月」や、“稲の穂が張る月”の「穂張り月(ほはりづき)」、また秋を知らせる“雁が初めて渡ってくる月”「初来(はつき)月」など様々な謂れがあり、江戸後期の歳時記『年浪草(としなみぐさ)』には、「葉月とは、この月や粛殺の気生じ、百卉葉を落す。ゆえに葉落月という。今略して葉月と称す」と書かれています。
また8月の別称の中でも、風雅なイメージの「桂月」は、元は中国の“月に桂の大木が有る”との言い伝えからの名前なのですが、日本では“兎が餅をつ搗く”と見える満月を、中国では“力強い若い男が桂の木を伐っている”と見ていて、中国の“桂”は日本では“金木犀”にあたり、この花は香りが素晴らしく「桂花酒」となって人々を楽しませてくれる花なので、それゆえに満月の美しさを讃えて「桂月」と呼んだのでしょうね。
さて、全国の気象台では、「サクラ前線」や「紅葉前線」でおなじみの「生物季節観測」と云う調査の中で、「燕前線」も観測されており、燕”が3月初旬頃、九州から3ヶ月近くかかって日本列島を北上したのち、南の国を目指して日本を飛び立つのは、毎年9月頃なので、旧暦の8月を「燕去月」と呼ぶのは、そのことからなのでしょうが、ひと昔前の“燕”は、8月になると子育ても終えて大きな川の葦原に集まっていたそうですので、「燕が低く飛べば雨近し」などと、かつては身近だった“燕”も、いつのまにか日本では暮らしにくくなってしまったのかもしれませんね。 http://www.nihonkiin.or.jp/kishihp/koyama/8gatsu.htm

そんな“燕”が南に去るともに、北の国から交代で訪れて来るのが“雁”なのですが、“雁の渡り”は毎年北海道から関東の太平洋岸が10月1日、東北から北陸の日本海側が11月1日頃ですので、関東地方ではこの“燕”と“雁”と両方見ることができ、それ故に旧暦8月は、上記「燕去月」や「雁来月」とも言われるのでしょうね。
http://homepage1.nifty.com/long-life/ieshige/030803.htm

ところで、“雁”と言えば昔は「雁に長幼の列あり」と、礼儀を教える鳥だったのですが、もっとも棋士にも序列が有り、全ての棋士はそれに従って並ぶ事になっていますが、この列は段の高い順なので分かりやすく、同じ段だと入段が先の人が上に並びますが、そんな秋空高く、群れをなして鳴き渡る“雁”の姿には、きっと故郷への郷愁を覚える人も多いのではないでしょうか・・・http://homepage1.nifty.com/long-life/ieshige/030803.htm
 
梅雨明けや   天窓思ひ   きり開き   ―前田達江
 
それでは、今宵『由美』では【夏祭り】を開催させていただき、皆、冷涼な浴衣姿にてお待ち申し上げておりますので、どうかご一緒に“梅雨明け”気分を楽しんでいただけますこととお待ち致しております。
 
 
♪『和のふるせ』日本橋高島屋“リフォームフェア” 毎日新聞掲載記事(8月2日朝刊より)
*8月1日〜13日まで 日本橋高島屋 8階 ギャラリー am10:00〜20:00迄
http://www.furuse.jp/
 
 
♪“源 吉兆庵”懐石料理『松濤』 
*中央区銀座7丁目8-9  tel 3569-2360 
http://www.kitchoan.co.jp/
http://www.kitchoan.co.jp/dmsshop_s/index.html#sho_1
 
 
 




















 
由美グルメリンNo.2‥“絢爛豪華な大灯籠”亜樹 at『青森ねぶた祭』♪ “創業80年有余年の老舗”青森『寿司武』の晩夏の旬魚♪ “恵比寿の隠れ家”すし処『旬香 多喜』晩夏の魚彩♪
 
粛粛と   堂堂とねぶた   始まれり   ―岸田稚魚
 
梅雨明けして初の日曜日は、日本列島は高気圧に覆われ、北海道と東北地方の一部を除いて青空が広がり、各地で真夏日となりましたが、猛暑の週末はいかがお過ごしでしたか?
キリンズのひとり亜樹さんは、台風5号の接近が心配された青森の「ねぶた祭」へと出かけておりましたが、お蔭で風雨にも晒されず、宵闇にくっきりと浮かぶ極彩色の「ねぶた」が、連なり練り歩く様はまさに圧巻だった様子で、さすがの台風も、きっと、この「ねぶた」の勇ましい壮大な姿を前に、早々と退散してしまったのでしょうね。
さて、「青森ねぶた祭」の起源はいろいろあり、一般には奈良時代に中国から入ってきた七夕祭りが、青森の“灯篭流し”と一緒になり、「ねぶた祭」となったといわれていますが、他にも、平安初期の武将「坂上田村麿」が征夷大将軍として、東北に遠征した際に、敵を誘き寄せるために大灯籠と笛、太鼓で仕掛けたのが始まりという「田村麿伝説」伝説や、津軽藩の藩祖・為信が、上洛中の文禄2年(1593年)、諸大名から田舎侍扱いされた鬱憤を晴らそうと、お盆の供養に大型灯籠を作って、京の市中を練り歩いたのがきっかけと云う故事からの「津軽為信説」や、かつて各地で見られた「眠たし(ねむたし)」の行事に由来する「ねむり流し説」などと実にさまざまですが、この「ねぶた」“眠り流しの行事”とは、七夕に木の枝や藁人形を流すもので、元は、秋の収穫期を前に労働を妨げる睡魔をはらうために行われたと云われています。
http://www.aomori-nissan.co.jp/nebutakai/history.html
ちなみに、「眠い、眠たい」を津軽弁で表現すると、弘崎方面では「ねんぷて」と言い、青森地方では「ねぶて」といいますが、この「青森ねぶた」と「弘前ねぷた」との違いとは、先ず、弘前の場合は、藩祖・為信の幼名が「扇」だったことから、末広がりでめでたい意も含めて扇型の「扇ねぶた」になったとされ、一方の青森は、すべて「組(人形)ねぶた」となっていますが、商業が盛んな土地柄から、明治から大正にかけては、庶民に歌舞伎見物が流行り、姿も表情も歌舞伎風なのは、そうした時代を反映してのことでしょうが、弘前を「出陣ねぶた」、青森を「凱旋ねぶた」というのも、城下町の「静」と商都の「動」の違いを表しているように思えますね。
また、「ねぶた」の漢字の最古の記録は、独孤神社(弘前市)の縁起にある「侫武多」で、明治5年(1872年)に当時の郷土史家、内藤宮八郎が記したものですが、その後、「弥婦太」「稔富多」などいくつもの漢字で表されましたが、今は「侫武多」が一般的なようです。
 
ねぶた咲く   木陰を   昼のかげろひに ―芭蕉
 
それでは、日本を代表する祭典「青森ねぶた祭」にて、絢爛豪華な大灯籠の人形ねぶたの下で、“ハネト(踊り手)”の乱舞や、笛・太鼓の囃子を聴き、みちのくの神秘的な夜を満喫した亜樹さん他、それぞれに夏を謳歌したキリンズを今週もよろしくお願い申し上げます。
そして「立秋」を迎えるこの残暑の中で、天使の薄物の衣を掛けたように、ふわりと咲く「合歓(ねぶた)」の花が咲く今宵も、『由美』&『けんたうろす』へのご来店を心よりお待ち致しております。
 
 
 ♪「職業としてのプロ野球解説者」by 江本孟紀
http://www.emoyan.com/
 
♪亜樹 at「青森ねぶた祭」 http://www.nebuta.or.jp/
 
 
♪青森『寿司武』 *青森県青森市本町2丁目1-14   tel 017-776-2681
http://gourmet.yahoo.co.jp/0002896389/U0002065668/
 
♪恵比寿 寿し処『旬香 多喜』* 渋谷区恵比寿1-6-3 ゼネラルビル恵比寿イースト 2F tel5791-1954
http://u.tabelog.com/00042570/r/rvwdtl/281970/
 




















 

由美グルメリンNo.3‥創業1905年“世紀を越えて美食家に愛される名料理店”代官山『小川軒』♪ “北大路魯山人や志賀直哉も愛した”『銀座 久兵衛』♪

 
張抜きの   猫も知るなり   今朝の秋   ―芭蕉
 
昨日より暦の上では「立秋」となりましたが、“秋”とは名ばかりで連日30度を越すこの猛暑の週末はいかがお過ごしですか?

毎年「土用」の明ける八月七日か八日頃が「立秋」で、まだまだ本格的な暑さの中で、もう“秋”が巡ってくることなどは思いもよらないものですが、こうしてあらためて「立秋」と宣言されてしまうと、つい秋の気配を探してしまい、人々は暑さも峠を越えたと言う安堵感をこの言葉に抱くように思いますね。

さて、冒頭の句は芭蕉が、首をぶらぶらさせる張り子の猫も、秋の風に揺れながら、秋立つ今朝の風を感じているに違いない・・・と、「古今集」の「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる」を引用して詠んだ句ですが、この“今朝の秋”とは、“立秋の朝”を言い、“今日の秋”とも云いますが、前日とは全く異なる爽やかさを感じることを言うようです。
http://www.ese.yamanashi.ac.jp/~itoyo/basho/haikusyu/harinuki.htm#ku
http://homepage3.nifty.com/yukijuku/yuki/y185.htm
また、この時季の季語で秀逸なのは“夜の秋”と云う言葉で、秋が深まって、いかにも風情ある秋の気配は“秋の夜”ですが、この“夜の秋”とは、夏の暑い日が暮れ、夜半ささやかな秋の気配を感じ取れるような、そんなひとときを表し、蒸し暑い夏でも夜には秋が潜んでいるということを発見し、気が付くと何処からか虫の鳴き声や、風に潜む秋の肌触りがする・・・
こうした時候の変化を敏感に楽しむのが季節の味わい方の妙で、そのためには暦の上では「立秋」と“秋”になってはいるものの、まだまだ暑い日が続くという季節の予告によって、よりいっそう感性が高まるような気がしますね。
ところで、古歌には「立秋」はほとんど詠まれず、「秋立つ日に詠める」「秋立つ心を詠める」などと詞書に出てくる程度で、和歌や俳諧では「立秋」の漢語的な硬い表現は嫌 われ、専ら“秋立つ”の軟らかい言葉の方が使われる傾向にありますが、上記「古今和歌集」には「秋来ぬと・・・」以外にも、「木の間より漏りくる月のかげ見れば心づくしの秋は来にけり」と、単に“秋”を「立秋」のひと言で捉えず、吹く風に心なしか秋を感じたり、木の葉の黄ばみや、虫の音、花々の移ろいに秋の予感を感じされるような言葉で表し、古くからの日本人の季節感とは、こうした古歌の伝統によって鍛えられてきたものなのでしょうね。
http://homepage3.nifty.com/yukijuku/yuki/y185.htm
 
一葉ちる桐の立枝に秋をはや見せも聞かせもわたる朝風―飛鳥井雅親「亜槐集」
 
それでは、今日はそんな「立秋」の“朝風”が早速秋の風情を感じさせてくれ、大きな葉が一枚ずつふわりふわりと落ちる様は閑寂とした風雅があり、夏の暑さのこまごまとした隙間に、確実に秋の色合いや風合いを見て取ることができましたが、今宵はこんな熱帯夜の中でも、ふと感じる一瞬の“夜の秋”を愉しみながら、あなた様のご来店を心よりお待ち致しております。
 
 
♪『けんたうろす』8月のカクテル“サマータイム”
♪京都「ふるせ」“和のリフォーム展”
at日本橋高島屋8階ギャラリー 〜8月13日まで
http://www.furuse.jp/
 
 
♪♪創業1905年“世紀を越えて美食家に愛される名料理店”
代官山『小川軒』 *渋谷区代官山町10-13   tel 03-3463-3809
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000924409/M0013000071/
http://www.bk1.jp/product/2594283
 
♪♪“北大路魯山人や志賀直哉も愛した”『銀座 久兵衛』
『銀座 久兵衛』新館 
* 中央区銀座8-7-6   tel 03-3571-6523
http://www.kyubey.jp/ 
今田洋輔二代目ご主人&景久三代目ご主人 (「銀座かわら版 Vol. 2より)
 
 




















 
由美グルメリンNo.4‥「椿山荘」二万坪の庭園の一角に閑静な佇まいをみせる数寄屋造りの『料亭錦水』♪ “明治18年創業の伝統を受け継ぐ”江戸前寿司の老舗『銀座 寿司幸本店』♪
 
風が吹く   佛来給ふ   けはひあり  ―虚子
 
暦では“蜩鳴く”「立秋」次候を迎え、朝晩に少しずつ秋の気配が漂う頃となりましたが、“お盆”の週はじめはいかがお過ごしですか?
『由美』&『けんたうろす』では、今週の“お盆”は【暦どおり】に営業致しておりますので、是非、このお盆期間の静かなる銀座へのご来店を心よりお待ち申し上げております。
さて、8月は多くの地方で“お盆”を迎え、一般的には8月13日から16日までを「盆」と云いますが、お盆の期間は地方によってさまざまで、“7月1日を盆の始まりとする”“7月全体を盆の月とする”地域などいろいろあり、東京などでは7月15日を中心に行うのに対して、農村では農作業の関係上8月15日を中心に行われる地域も多く、13日の最初の日を「迎え盆(お盆の入り)」、16日の最後の日を「送り盆(お盆の明け)」と云います。また、“お盆”は夏の行事と思われがちですが、「立秋」を過ぎてから行われる行事として“秋の部” の季題となり、「盆の月」「盆の波」などから、「盆休み」「精霊舟」「魂祭」「蓮の飯」「灯篭流」「大文字」「地蔵盆」「百八灯(ひゃくはったい)」など、その季語は数多く、その他、植物では、「禊萩(ミソハギ)」や「鬼灯(ほおずき)」などが欠かせないものとしてあげられていますが、冒頭の虚子の句は、13日に門口で「迎火」を焚き、風に揺れた炎や煙とともに、帰ってきた仏様の気配を感じる・・・そんな各家の“お盆”の情景が偲ばれるかのような句ですね。
ところで、“盆花”として「精霊花」とも呼ばれる上記「禊萩(ミソハギ)」と云う花をご存知ですか?
「禊萩」とは、“仏に供える禊ぎの花”というのがその名の語源で、漢字では「鼠尾草」や「溝萩」、また「水向花」とも書かれるようですが、“禊”とはそもそも、「罪や穢れのある時、重い神事などに従う前に、川で身を洗い清めること(広辞苑)」とあるように、古代より、川原で麻などに水を含ませ、麻に息を吹き、その麻で身体を撫でることによって、祓い清めていた行事ですが、その起源は、「イザナギノミコトが死者の世界の黄泉の国から帰った時、その穢れを祓うために日向の阿波岐原(あわぎはら)において身を洗い清めたことに基づく(日本民族宗教辞典)」ことに始まり、仏教で言えば、仏事の前には香を焚き、あるいは香を身体に擦り、身を清めることと似ていますが、それが“お盆”の時季に、麻の代用として“ミソハギ”を用いるようになったというのが、“禊萩説”の由来で、この花に水を含ませ、その水を掛けることで、先祖を迎える盆棚を祓い清めるという意味があるのです。http://www8.ocn.ne.jp/~ohmybud/jihou86.html
 
みそ萩や   水につければ   風の吹く    ―小林一茶
 
それでは、今週は『由美』でも“盆花”の「禊萩」を飾り、水で濡らした“みそ萩”を振って、静かに“お盆”の雰囲気であなた様のお越しをお待ち致しておりますので、どうかこの紅紫の美しい花穂をきっとご覧下さいませね。
 
     
 
 
 
♪泉石池水に囲まれた本格的数寄屋造りの料亭『錦水』 *文京区関口2-10-8  tel 3943-1101
http://www.chinzanso.com/restaurant/kinsui/
*『錦水』はお盆も“暦どおり”営業致しております。(接客担当支配人・俵木まで 3943-3585)
 
♪“明治18年創業の伝統を受け継ぐ”江戸前寿司の老舗『銀座 寿司幸本店』
♪『銀座 寿司幸本店』 *中央区銀座6-3-8  tel 3571-1968
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000609029/M0013000995/
http://r.gnavi.co.jp/g763338/
   
*四代目杉山 衛ご主人(銀座かわら版 Vol.2より)
 
 




















 
由美グルメリンNo.5‥“SOLD OUT”KIKKAWA KOJI LIVE 2007 "TARZAN!"FINAL at 両国国技館♪ 吉兆庵美術館蒐蔵“用の美”『北大路魯山人』〜23日まで。at日本橋三越♪ “丸ビル35階”の眺めの中での伝統の江戸前寿司『寿司幸本店』丸ビル店♪ “初秋の旬魚”銀座『すし処きたむら』♪
 

枝豆や   こんなものにも   塩加減  ―北大路魯山人

 

うだるような猛暑が続き、残暑厳しい“盆休み”となった今週ですが、いかがお過ごしですか?
『由美』&『けんたうろす』では、この“お盆”は休まず、【暦どおり】に営業致しておりますので、もし、銀座にお越しになる機会がございましたら、どうか静かなる銀座の街へとお出かけいただけますようよろしくお願い申し上げます。
そして、この14日からは、予てからお知らせしておりましたが、「三越日本橋本店」にて、陶芸、書、料理など幅広い才能を発揮した異色の芸術家「魯山人」の“用の美”と題する『北大路魯山人展』(吉兆庵美術館蒐蔵)が始まりましたので、こんな暑い最中ですが、是非「三越新館6階ギャラリー」にても、その極めた美の世界を堪能していだきたく存じます。(〜23日まで) http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/rosanjin/
さて、『北大路魯山人(1883〜1959)』とは、その類い稀なる感性と独特の創造性により、幅広い分野において、非凡な才能を発揮させた人物で、没後50年が経とうとする今もなお、その作品は多くの人々の心を惹きつけて止みませんが、今展の副題「用の美」とは、“用いる美しさ”を意味し、器は使われているからこそ、また、取り合わせて使われる中で、その美しさがいっそう引き出されるもので、毎日の食卓で、旬の料理や自慢料理を盛った時に、器たちの表情が、生き生きと輝いて見えるように、使うことに忠実に作られ、自ずと生ずる自然で暖かみのある美しさこそが、“暮らしの器の美”こと「用の美」です。
今回の『北大路魯山人展』では、「魯山人」の遺した数ある名言の中からこの言葉をテーマに、「魯山人」の感性を伝え、感じられる展示を心がけ、個性あふれる「魯山人」の作品に挑んだ料理・和菓子・花の興宴をお楽しみいただける展開となっておりますが、冒頭では、そんな「魯山人」展にちなみ、料理の句をひとつ引用してみましたが、“こんなものにも”そして“どんなものにも”、ちょっとした匙加減一つで美味くもなれば不味くもなる・・・とは、まさに「魯山人」の言うとおり、“塩加減”ひとつで、“枝豆”といえども一品の料理になってしまうようで、高が“こんなもの”にも拘った美食家「魯山人」ならではの句のように思えますね。
ちなみに、“枝豆”の本当の旨味は、「水から塩加減の中でゆっくり軟かく茹でて蓋をしておき、冷えるのを待ってから食すると、その味わいは素晴しく、歯ざわりりはむっちりとして、味わい深くなり、退色して茶っぽくなりますが、いくらでも食べれる(懐石料理「辻留」辻嘉一・<味覚三昧>(1979)」そうですので、とすると、ビアホールなどで出てくる緑色の“枝豆”は、本当の旨味を引き出していないことになり、“塩加減”ならぬ“茹で加減”が違い、「色」か「味」かで“好み”が割れる中、現代では、圧倒的に「色」の良いものが好まれていますが、この“枝豆”は、ビアホールなどで初夏くらいから出回るために、旬はとっくに過ぎていると錯覚している人もいるようですが、実はこれからが旬で秋の季語とされ、「豆名月」という季語もあり、名月に供えるのは「枝豆」と決まっています。
http://zouhai.com/cgi-bin/g_disp.cgi?ids=20000814&tit=%8E}%93%A4&tit2=%8BG%8C%EA%82%AA%8E}%93%A4%82%CC
 
かの人の   うなじ追ひゆく   盆踊  ―武田 貞太
 
それでは、まもなく“お盆週間”も終わりますすが、どうかこの週末は“盆踊”や“花火”など日本の夏の風物詩を愉しめるようなよき“お盆休み”をお過ごし下さいませ。
そして「「坐辺師友」の言葉の如く、美に憑かれ純粋無垢に生涯修業を続けた「魯山人」の穢れない精神を、どうか『北大路魯山人展』にて、きっとご覧いただけますようよろしくお願い致します。
 
 
♪“SOLD OUT !”KIKKAWA KOJI LIVE 2007 CLUB JUNGLE TOUR "TARZAN!"FINAL
at 両国国技館 18, AUG, 2007
http://www.kikkawa.com/information/index.html
 
♪“吉兆庵美術館蒐蔵”『北大路魯山人展』8月14日〜24日 at日本橋三越本店 新館7階ギャラリー
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/rosanjin/
http://www.kitchoan.co.jp/
 
♪『寿司幸本店』丸ビル店 “丸ビル35階”の眺めの中での伝統の江戸前寿司
*千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング35F  tel 03-3240-1908
http://r.gnavi.co.jp/g763338/
 
 
♪“初秋の旬魚”銀座『すし処きたむら』
*中央区銀座4-3-2 槁ビルB1   tel 3564-3640
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000606195/U0002109180/
 




















 

由美グルメリンNo.6‥『礼さん誕生会』♪ 『吉川晃司』「LIVE 2007 CLUB JUNGLE TOUR “TARZAN!”FINAL」at両国国技館♪ “吉兆庵美術館蒐蔵”『北大路魯山人展』〜24日迄 at日本橋三越本店♪ “初秋の彩り”銀座『原だ』♪ “アイデア料理”『井出』赤坂店♪ 浪花“お好み焼”銀座『冨くら』♪

 
残暑はや   色の抜けゆく   日の落ちて  ―保坂加津夫
 
「立秋」も“濃霧昇降す”末候となり、全国各地で好天となった昨日は、海や山の行楽地は、残暑に追われるように繰り出した人の波で賑わった様子でしたが、お盆も終わりとなったこの週末はいかがお過ごしでしたか?
キリンズの週末は、18日に42歳の誕生日を迎えた友人の歌手『吉川晃司』の「 LIVE 2007 CLUB JUNGLE TOUR “TARZAN”」と題する全国ツアーコンサートの「FINAL」公演に、「両国国技館」へと出かけましたが、両国駅から6000人余りの“晃司ファン”一色に染まった国技館前は、相撲の幟に代って色彩鮮やかな“吉川晃司幟”が、夕暮れの“色の抜けゆく”空にはためいておりました。

さて、初秋の頃に見上げた雲は、夏の盛りと終わりの印なのだと漠然と思いますが、たとえ空に柔らかく包み込む太陽に染められた“ちぎれ雲”が浮かんでいても、年を追うごとに厳しくなるこの残暑に、そろそろ聞こえてもいいはずの「ツクツクボウシ」の鳴き声すら聞こえてこない今日この頃ですが、この夏の終わりを告げる風物詩でもある「ツクツクボウシ」とは、夏に一番遅く発生する“蝉”で、夏の暑い盛りから秋の始めまで、一日中“ツクツクオーシツクツクオーシ”と鳴き、その声から「オーシンツクツク」とも呼ばれています。また、鳴きはじめの前奏が、“ジュクジュク”と聞こえることから、「熟柿が生った」と“柿のもぎ時”を知らせるという言い伝えもあり、「寒蝉」とも書き、どちらかというと夏から秋にかけての“蝉”で、寂しげに鳴くともとられ、「つくづく惜しい」とも聞こえるという説もありますが、古来より、人々は心や状況によって、この蝉の鳴き声をいろいろに聞き分けてきたように思います。

ところで、古典に於いては、万葉集で“蝉”を詠んだ歌は10首ありますが、うち9首が“ひぐらし”で、この当時の“ひぐらし”は早朝もしくは夕刻に鳴く、つまりその名のとおり日が隠れている時に鳴くと思われていますが、実際は、暗い林の中や曇天では一日中鳴いていて、雄の鳴き声は「カナカナカナ・・・」とか「ケケケケケッ・・・」と聞こえることから、「かなかな」とも云いますが、聞く人に涼感や物悲しさなどを感じさせ、「ひぐらしは 時と鳴けども 片恋に たわや女我れは 時わかず泣く(万葉集巻十 )」などの歌には、“ひぐらし”でさえ、鳴く時を定めて物悲しく鳴くのに、人恋しくて、手弱女の私は時を分かたず泣く・・・と、切なく泣き続ける“片恋い”の歌に詠み込まれています。
http://homepage2.nifty.com/manyou2001/semi.html
http://allabout.co.jp/contents/sp_obon_c/ceremony/CU20040810A/index/
そんな、“ひぐらし”について、『万葉集名物考』では・・・
「さて今俗に日くらしと呼ばれる蝉が二三種ある、和名・抄茅蜩、和名・比久良之小青蝉也とあるのは誤りである。万葉に詠まれた日晩は本草にあるサク蝉である。と云うのは巻十、十五、十七に萩、女郎花などと共に詠んだ歌が多いからで、和名では「あかせみ」とも「あきせみ」とも云う。今も阿波では古名を伝えてこの蝉を「日くらし」と云い、筑前では「ゆうせみ」と呼んで居り、八月の始め頃より鳴く。翅は赤黄色で透き通って居ない。未の刻(2時)より後によく鳴く蝉である。和名抄の比久良之と云うのは大きさ六〜七分で体の色は薄黒く黄色と緑の条があり、翅は長くて透き通って居る。この蝉は必ず申の刻(4時)より鳴き、その声は低く早朝より鳴くこともある」(現代文に書き換え)と述べていることから、この当時の“日暮れに鳴く蝉”は全て“ひぐらし”と呼ばれたのではないかと想像されますが、万葉集のほぼ一世紀後に成立したとされる『和名類聚抄』に収録されて居る“蝉”の名称は、無末世美(ムマセミ・ウマセミ)、比久良之(ヒグラシ)、久豆久豆保宇之(クズクズホウシ)、奈波世美(ナハセミ)の4種ですが、「クズクズホウシ」は今の「ツクツクボウシ」と考えられ、ちなみに、この「ツクツクボウシ」については、その昔、この声は「ツクシコヒシ」だという説もあり、筑紫(九州の古名)の人が、遠國で病氣のために亡くなり、その魂魄が一匹の秋蝉となったものとされ、「ツクシコヒシ、ツクシコヒシ(筑紫慕はし、筑紫見たし)と絶え間無く叫んだと云う伝説があります。http://www.zennokyo.co.jp/field/kw/kw3.html
 
浮雲に   乗りて残暑の   去るらしき   ―田中潮音
 
それでは、まだまだ残暑が続くとの予想の今週ですが、それでも徐々に秋の足音は聞こえ始め、空には入道雲から秋の“浮雲”に変わりつつ、その雲に“乗りて”もうすぐ“残暑”が去りゆくことと祈っておりますので、どうかお盆明けも『由美』&『けんたうろす』をよろしくお願い致します。
そして「ヒグラシ」や「ツクツクボウシ」の鳴き声に、ふと夏の終わりの寂しさを感じられるような初秋のよき一週間をお過ごし下さいませ。
 
 
♪“吉兆庵美術館蒐蔵”『北大路魯山人展』
at日本橋三越本店 新館7階ギャラリー
http://www.kitchoan.co.jp
http://www.mitsukoshi.co.jp/store/1010/rosanjin/
 
♪『Live 2007 CLUB JUNGLE TOUR
“TARZAN”FINAL』at両国国技館 18,AUG, 2007
http://www.kikkawa.com/information/index.html
 
♪“初秋の彩り”銀座『原だ』
*中央区銀座6-9-13第一ポールスタービル2F tel 3575-4007
 
♪特選三田牛や出雲牛の牛肉料理や、
海鮮系料理を中心にあらゆるジャンルの料理が楽しめる
“アイデア料理”『井出』赤坂店 *港区赤坂4−3−30 
横川ビル1F  tel 3585-7871
 
♪浪花“お好み焼”銀座『冨くら』* 中央区銀座8-2-15明興ビル3F tel 3575-8900
http://r.gnavi.co.jp/b072000/
 
 
 




















 
 

由美グルメリンNo.7‥【礼さん誕生日会】 『八月納涼大歌舞伎』 青山の300坪に及ぶ敷地に建つ豪壮な“一軒家レストラン”『マノワール・ディノ』♪ 京橋の一角“ゴージャスなフレンチレストラン”『シェイノ』♪

 
吹き来れば身にもしみける秋風を色なきものと思ひけるかな―紀友則『古今六帖』
 
灼熱の何週間が過ぎ、勢いよく力の限り燃えた夏もようやく峠を越し、「処暑」初候を迎えた今朝は、秋の足音を風が運んで、静かに「色なき風」が吹いていますがいかがお過ごしですか?

こんなお洒落な“秋風”のお蔭で、今宵は『由美』でも、月影を抱き、葉ずれの音の風韻を愉んでいただきたく思っておりますが、今週は「礼さん誕生日会」を催させていただきますので、どうか可愛らしい“白ウサギ”のイメージから、女らしく成長した礼さんに、きっとあなた様からもお祝いいただけますことと、ご来店心よりお待ち申し上げております。

さて、掲歌の「色なき風」とは、秋らしく淋しげな透明な風が、今の季節に似合いますが、古典に於いて“秋の風”を「色なき風」と使ったのは、この紀友則の歌からと言われ、中国の古い哲理によりますと、天地の間には循環して留まらない木・火・土・金・水の五つの精気があり、これが万物組成の元素だとする「陰陽五行説」ですが、これに“秋”を配すると、“白秋(はくしゅう)”“白帝”、また“金秋(きんしゅ)”と使われ、“風”を配すると“白”で“素風”となり、“白色の色なき風”となりますが、紀友則の歌もこの五行説を下敷きにして詠まれておると思われ、俳諧でも「秋風やしらきの弓に弦はらん」(去来)の“しらき(白木)”のように、“白”のイメージを重ねて使います。 http://www.plantatree.gr.jp/kigo/kigo_10.html
http://www.asahi-net.or.jp/~hx3h-mtd/shoutai_komakine.htm
ところで、かの芭蕉は“白”が似合う俳人とされ、「葱白くあらひたてたるさむさかな」「白菊の目に立てて見る塵もなし」「明ぼのや白魚しろき事一寸」など、彼の句には“白い対象”を詠んだものが少なくなく、どの句も芭蕉の鋭い色彩感覚が捉えた“白”で、従来の“白”のイメージを越えた新しい発想が感じられますが、古来より、日本人の美意識とは、「四十八茶百鼠」の言葉が示すように、世界に類を見ない中間色を発達させてきましたが、芭蕉の心の色を表現する“白”とは、“秋の風”のように感覚が捉えた“白”のように思え、それは日本人特有の繊細な中間色(混色)の美意識が生んだ人間の深い心情を表現し得た複雑な“白”とも言え、世俗に染まることを拒んだ芭蕉の孤高を守る決意の色のように思えます。 http://homepage2.nifty.com/misakibas/iroha.htm
何故なら、芭蕉が生きた時代は、華やかな文化が開花した徳川期の最も安定した時代で、歌舞伎、浮世絵、友禅小袖など、絢爛豪華な“鮮やかな色”が氾濫する一方で、貧富の差は拡大し、腐敗、堕落の世でもあったことから、市井宗匠を潔しとしない芭蕉は、風雅の道を求めて旅の境涯を選び、そのことからも、芭蕉にとっての“白”とは“清し”、“汚れなき潔白の色”であり、時代を超える永遠の色である“白”こそが、普遍的なものを求める芭蕉の反骨精神を象徴し、財力がものをいう、“華美な色”の時代に抵抗する“心の色”であったのではないでしょうか・・・・。
 
石山の   石より白し   秋の風  ―芭蕉
 
それでは、秋を告げる無色透明の“秋の風”吹く頃となりましたが、この週末は芭蕉のごとく五感を研ぎ澄ませ、野山に静かな“白秋”のひとときを愉しめるようなよき週末をお迎え下さいませ。
 
 
 
♪『八月納涼大歌舞伎』
http://www.kabuki-bito.jp/
 
♪青山の300坪に及ぶ敷地に建つ豪壮な一軒家レストラン『マノワール・ディノ』
*渋谷区渋谷4-1-13  tel 03-3406-0200
http://www.manoirdinno.com/index.html
http://r.gnavi.co.jp/manoir-d/
 
♪京橋の一角“ゴージャスなフレンチレストラン”『シェ イノ』
*中央区京橋2−4−16 明治製菓本社ビル 1F tel 3274-2020

 
 
 
 




















 

由美グルメリンNo.8‥“Happy birthday to REI ”♪ “伝統的な江戸前握り、アメリカ生まれのロール寿司をワインで食す”L.A.で有名寿司店『the hump』丸の内店♪ 一組のお客様の為の“一日だけのコース”『the hump』“VIP ROOM”♪ “自家源泉の掛け流しによる海一望の旅館”伊豆・川奈温泉『なは緒の安』♪

 
はるばるときて   伊豆の山なみ   夕焼くる  ―山頭火
 
暦ではまもなく“天地始めて寒し”「処暑」次候を迎えますが、葉月最後の週末はいかがお過ごしでしたか?
私は家族と共に夏の疲れを癒そうと、山頭火の如く“はるばる”ではありませんでしたが、関東近郊の伊豆「川奈温泉」へと行き、今回はゴルフもせずにゆったりと良質の温泉で寛ぎ、海の幸を満喫して参りました。

さて、「川奈温泉」のあるこの伊東市は、日蓮上人の「四大法難」の一つ「伊豆法難」の舞台でもありますが、「伊豆法難」とは、日蓮が幕府の弾圧を受け、鎌倉から伊豆の伊東への流罪の刑に処せられた二つ目の“難”のことで、鎌倉の由比ヶ浜から小舟に乗せて送り出された日蓮は、満潮には沈んでしまいそうな小岩の上に置き去りにされてしまいましたが、危機一髪のところを、川奈の漁師・船守弥三郎に救われ、“岩屋”に匿われて大切にもてなされた史実に由来します。

その後、日蓮が匿われた“岩屋”には、上行院が営まれて、現在も「川奈のお岩屋」の名で知られていますが、“日蓮が置き去りにされた“俎板岩”を、真下に見下ろすこの地には、その故事にちなんで祖師堂が建てられ、これが「蓮着寺」の奥の院ですが、この寺は寺域約21万坪を有し、天然の樹木に囲まれ、樹齢千年を超える「やまもも(揚梅木)」の大木や、樹齢百年の「千歳の椿(薮椿)」「石喰いモチの木」など、薮椿の群生が有名のようですので、是非次回の「川奈」には、この“薮椿”の花が咲く時季に出かけてみたいものですね。
http://izukogen.com/nichiren/
http://www.izunet.jp/manabu/b-ito.htm

ところで、自由律俳句で名高い遍歴の俳人「山頭火」が、昭和11年の春にこの地を旅して、冒頭の他、「伊豆はあたたかく野宿によろしい波音も」「湯の町通りぬける春風」などの句を残していますが、残念なことに、今はこの「山頭火」を偲ぶものは何も無く、唯一、伊東最古の歴史をもつ「和田湯」に、そのことを記した説明板があるのみで、日記には「大地から沸きあがる湯は有難い」と記述されています。
http://www.izunet.jp/asobu/warking-map/it-004.htm

 
われ今ここに  海の青さの   限りなし  ―山頭火
 
それでは、空高く秋の雲が流れる中、限りない“海の青さ”一望し、山頭火を偲び、日蓮上人ゆかりの地「川奈」にて、リフレッシュして参りましたキリンズを今週もどうかよろしくお願い致します。そして残り僅かな葉月ですが、きっと長月を迎える前に、再びお会いできますことと今宵もご来店心よりお待ち申し上げております。
 
♪“Happy birthday to REI ” 24, AUG, 2007
 
 
♪“伝統的な江戸前握り、アメリカ生まれのロール寿司をワインで食す”L.A.で有名寿司店『the hump』丸の内店
*千代田区丸の内2-1-1 オペーク丸の内2F  tel 03-5293-4813
http://r.gnavi.co.jp/g188304/
*一組のお客様の為の“一日だけのコース”『the hump』“VIP ROOM”
 
♪“自家源泉の掛け流しによる海一望の旅館”伊豆・川奈温泉『なは緒の安』
*静岡県伊東市川奈1385-1 http://www.hanao.jp/
 




















 

由美グルメリンNo.9‥“極上の食材”銀座『ステーキ塩澤』♪  “山形牛幻の一頭盛り”炭火焼肉『恵比寿 まんぷく』♪

 
くろがねの   秋の風鈴    鳴りにけり  ―飯田蛇笏
 
酷暑に吼えた葉月もようやく今日限りとなり、今週は“夏の終わり”を告げる激しい雷まで鳴って、だんだんと切ない季節・秋を迎えますが、朝晩の風が心地よい週末はいかがお過ごしですか?

いったいあの酷暑は何処へ行ってしまったのかと、「しゃりしゃり」「りんりん」「ちりりん ちりりん」と鳴る“風鈴”の音に、夏が去る寂しさを感じる一方で、その儚い音色に、つい心を奪われてしまいそうですが、そよ風を受けて、可愛らしい音を奏でる“風鈴”は、過ごしにくい日本の夏を、少しでも過ごしやすいようにと、古人が考え出した夏の風物詩のひとつですが、同じ音色でも、何故か“秋の風鈴”には、もの悲しさが感じられますね。

さて、 そんな風雅なるもの“風鈴”の歴史は古く、元は約二千年前の唐の時代に中国より伝来した「占風鐸(せんふうたく)」がその由来とされていますが、この「占風鐸」とは、竹林に下げて「風の向き」「音の鳴り方」で、物事の吉凶を占うものとして使われていた道具で、日本では、お寺の四隅に掛けられ“風鐸”として使われ、この“風鐸”のガランガランと鳴る音が魔除けとなり、昔は、その音が聞こえる範囲の住民には災いが起こらないとされ、色も一般的には魔除けの“朱色”でした。http://www.wanogakkou.com/0itigo/it_0824.html
また、古歌に於いては、古くは室町時代の歌人・正徹(しょうてつ1381-1459)に、下記の如く“風鈴”を詠んだかと思われる歌が見つかりますが、鎌倉時代の「六学集」には、平安、鎌倉時代の貴族たちは、この“風鐸”を縁側に下げて、外から疫病神が屋敷の中に入るのを防いだと書かれており、それが“風鈴”と呼ばれるようになったのは、法然上人が「風鈴(ふうれい)」と名付けたことからで、後に同じ漢字で「ふうりん」となり今に至っています。
http://homepage1.nifty.com/meltglass/glass4.htm
ところで、弥生時代などの遺跡から出る“銅鐸”にも“風鐸説”があり、それは“舌(ぜつ)”と呼ばれる振り管が付いていることから、手で振るものか、“風鈴”のような短冊がついていたのかは、分からないものの、音の鳴るものとしての役目をしていたようで、人々は銅にすずや鉛を加えた合金(青銅)で“鐘”を作って、稲の豊作を祈る祭をおこなっていたと考えられていますが、いずれにしろ、日本人は古来より、音に対する信仰心がとても強い民族と云うことが伺えますね。
http://www.echizenya.co.jp/mini/colum/fuurin.html
http://www.takagi.co.jp/cccafe/special/special32.php
 
風かをる花たち花のよるの夢身にさへさむる鈴の音かな―正徹「草根集」盧橘声夢
 
それでは、すでに“風鈴”の季節は過ぎ、秋風とともに命が蘇るような優しい“鈴(涼)の音”や虫の音が、秋の芳香を運んできてくれる季節となりましたが、この週末は、太陽の暑さや仕事の疲れを忘れさせてくれる“くろがねの秋の風鈴”の癒しの音色に、そっと過ぎ去った夏を想い出せるようなよき週末をお過ごし下さいませ。
 
 
♪銀座『ステーキ塩澤』“極上の食材”
*中央区銀座8-3-10 トミタビルB2F tel 3572-7613
 
♪炭火焼肉『恵比寿 まんぷく』
 *渋谷区恵比寿西1-30-14 エコー代官山B1 tel 3477-0880
http://www.hotpepper.jp/A_20100/strJ000001488.html