No.59

由美グルメリン No.1‥【由美七夕ゆかた祭り】♪ 『けんたうろす』7月のカクテル“星の王子様”♪ 季節の“旬魚”銀座『すし処 きたむら』♪ “鮮やかな魚彩”銀座 寿司『なら本』♪
 
あふち咲く 外面の木陰 露おちて 五月雨晴るる 風わたるなり―藤原忠良
 
「文月」を迎えて、東京ではようやく、しとしとと“梅雨”らしい「五月雨」降る週はじめとなりましたが、いかがお過ごしですか?
冒頭の歌の“樗(おうち)咲く”の“樗”は、“栴檀(せんだん)”の古名で、降り続いていた「五月雨」が止み、栴檀の木陰からは、まだ雫がポタリポタリと落ちている中を、雲が切れて、じめじめしていた空気を飛ばすように、風が吹き渡っていく・・・そんな「梅雨」の“晴れ間”の爽やかな情景が伝わってくるような歌ですが、今週は一日でも“五月晴れるる”景色に出逢える日があるといいですね。
さて、この梅雨期に降る雨は、古くから「五月雨(さみだれ)」と呼ばれ、この「五月雨」とは“五月晴れ”の空が、一転にわかに掻き曇って降りだす“五月(さつき)の雨”というよりは、むしろ“降り続く雨”のことを表しますが、実際に「梅雨」とこの「五月雨」とは、微妙な違いに分かれて用いられることが多く、昔は「五月雨」の方が「梅雨」よりも、数多く詩句に詠まれていましたが、その語源は「五月雨」の“さ”は、“五月・皐月(旧暦)”や“早苗(さなえ)”などと同様で、耕作を意味する古語“さ”から、“みだれ”は、“水垂れ”からきており、古くは動詞として“五月雨るる(さみだるる)”や“五月雨れて(さみだれて)”という言葉で作られた句も多く存在し、和歌などでは“さみだる”は、“乱る”の意味に掛けて用いることもありました。
ところで、かつて夏の始まりでもある“五月(旧暦)”は“忌み月”とされており、何故なら、日本の夏は高温多湿の上、“雨”が多くつらい季節でもあり、ましてひと昔前までは衛生状態が悪く、疫病が流行するという、まさに「五月縄なす荒ぶる神たちの季節」で、今でも各地に残る「夏祭」は元来、みな“疫病退散”を祈るものであったのです。
そのため、日本に於いては、古来より四季のうち春・秋・冬の風情については「雪月花」といわれるようにその特色を強調したものを重んじましたが、夏のみはその最大の特色たる“暑さ”について、ほとんど触れず、ひたすらその対極としての“涼”や“清々しさ”に心を向けておりました。
ちなみに、「百人一首」にも登場する光孝天皇の歌には、「逢はずして 経るころほひの あまたあれば はるけき空に ながめをぞする」と、長く逢えないでいる方に送られた歌があり、この“ながめ”は、“眺”めと“長雨(ながめ)”の掛詞で、“経る”も“降る”の意を効かせ、 「あなたのいる空は長雨の雲が閉ざしています。でも、その空を遥かに眺めつづけているのです」と、ゆったりとした想いを心に優しく包み込んで、“長雨”=“梅雨”の情景を愉しんでいますが、 「梅雨」の語源には、いくつかの説があり、“梅の実が熟す頃に降る雨”という意味から、中国の長江流域では「梅雨(ばいう)」と呼んでいたという説や、“黴(カビ)が生えやすい時期の雨”から「黴雨(ばいう)」と呼び、但し“カビ”では語感が良くないため、同じ読みで季節に合った“梅”の字を使い「梅雨」になったという説などが有名ですが、また「梅雨(つゆ)」という読み方も、“露”から連想されたり、梅の実が熟す時期から“つはる”や、梅の実が熟し潰れる時期から“潰ゆ(つゆ)”、“カビ”のせいで物が損なわれる“費ゆ(つひゆ)”からも連想されますが、「梅雨」という言葉は江戸時代に日本へ伝わり、伝わる以前の“長雨”のことは、上記「五月雨(さみだれ)」で、この時代以降から日本でも「梅雨(つゆ)」と呼ぶようになったそうです。
http://www.minabe.net/gaku/kurashi/tsuyu.html
http://fubako.s150.xrea.com/mnth.html
 
あひふれし   五月雨傘の   重かりし  ―中村 汀女
 
それでは今週『由美』では、そんな“さみだるる”中、【七夕ゆかた祭り】を催すこととなりましたので、どうか一年に一度の“星祭り”「七夕」には、きっとご一緒に、願い事を書いた短冊などを笹の葉に吊るし、お祈りできますこととお待ち申し上げております。
そして今宵も、汀女のごとく“五月雨傘”を片手に、あなた様をお迎えに伺えますことと楽しみにしております。
 
 
♪7月4日〜6日【由美七夕ゆかた祭り】&『けんたうろす』7月のカクテル“星の王子様”
 
 
♪“鮮やかな魚彩”銀座 寿司『なら本』 
*中央区銀座7-6-4 フィーラ銀座ビルB1  tel 3573-4000
http://www.naramoto.com/
 
 
♪季節の“旬魚”銀座『すし処 きたむら』*中央区銀座4-3-2 槁ビルB1  03-3564-3640
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000606195/U0002109180/
 
 




















 
由美グルメリンNo.2‥『由美七夕ゆかた祭り』“開催中”♪ “夏の夕暮れの京橋一角”フランス料理『シェイノ』♪ 銀座『福治』“ふぐ以外の夏の魚彩”♪
 
天の川 扇の風に 霧はれて 空すみわたる 鵲のはし ―清原元輔「拾遺集・雑秋」
 
暦ではまもなく“温風至る”「小暑」初候を迎え、この週末七日は「七夕」ですが、梅雨曇の下、いかがお過ごしですか?
この様子では、今年の“七夕の夜”は曇との予想で、“織姫”と“彦星”の年に一度の逢瀬は叶わないかもしれませんが、古典に於いては、冒頭の歌のごとく、たとえ“七夕の夜”に雨が降っても、“カササギ(鵲)”が羽を並べて「天の川」に橋を架けてくれると伝えられていますから、古の“七夕伝説”にちなんで、“織姫”が「天の川」を“カササギの羽”に乗って渡る様を思い描いてみたいものですね。
さて、“七夕伝説”で有名なこの「天の川」ですが、実は、「天の川」というのは夏ばかりではなく、1年中見えるもので、実際に、普段夜空に見えていても、「天の川」を見ている方角が違うために「見たことがない」という人が多く、「天の川」とは、地球がある太陽系が属する銀河系の星雲のことですが、銀河系のどちらを見ているかが季節によって違い、今の季節は、午後8時頃であれば、東の空の地平線から30度ほど上に行ったあたりに横方向に見えるそうですから、「梅雨晴れ」の折には、是非、星座盤でも見ながら探してみてはいかがでしょうか?
また、「天の川」は日本ばかりでなく、世界中でも“川”に譬えられていて、古代エジプトでは「天のナイル川」と呼び、この時代、ピラミッド付近から南の方を見ると、まるで「天の川」がナイル川に繋がっているかのように見えたらしく、その他、インドでは「天のガンジス川」、中国では煌く印象から「銀漢」または「銀河」と呼ばれ、この「天の川」の両岸に位置する明るい星に思いを馳せて“七夕伝説”が生まれました。 http://www.mycal.co.jp/saty/3_weekly/0619/index.html
ところで、天の川は“川”だけでなく、“道”にも譬えられてきたのをご存じですか?
英語で「天の川」は「ザ・ミルキーウェイ」“ミルクの道”と呼ばれていますが、このように呼ばれるようになったのは、ギリシャ神話に由来していて、「英雄ヘルクレスがまだ赤ん坊だった頃、彼を不死身にしようと考えた伝令の神ヘルメスが、眠っている女神ヘラの母乳を吸わせたところ、驚いて目を醒ましたヘラがヘルクルスを突き飛ばし、その強く吸われた乳房から勢いよく“ミルク”がほとばしり出て、空にかかり天の川になった」と言う神話です。
http://astro.ysc.go.jp/ysc/story/pla0204.html
http://www.e-tenki.net/labo/answer.asp?quesid=030703-003
そんな「天の川」が“星の集まり” ということを発見したのは、17世紀の始め、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが自作の望遠鏡で発見したことにはじまり、その150年後、今度はイギリスの天文学者ウイリアム・ハーシェルが、丹念に“星”を数えて、散らばり方を調べた結果、“星”は円盤状に集まって“星雲”を作っているとの結論に至りましたが、但し、この当時のハーシェルは、目で見える“星”だけしか数えられず、その後、天文学者の努力と望遠鏡の進歩によって、遠くの星々まで見ることができるようになり、こうして「天の川」の正体が、“星”の大集団である「銀河」を内側から見た姿であることが、明らかになりました。
 
 天の川 楫の音聞こゆ 彦星と 織女(たなばたつめ)と 今夜逢ふらしも ―柿本人麻呂
 
それでは、この週末は、星がたくさんある銀河系の中心「天の川」を、遠く漆黒の夜空に眺められるような、よき“七夕”をお迎え下さいませ。
そして「天の川」の正体が分かってしまっても、“夏の天の川”の美しさは変わりませんから、どうか万葉集の歌の如く、「天の川」を漕ぐ“楫の音”を聞きながら、“彦星”と“織女(たなばたつめ)”のロマンティックな恋物語を思い描いて、今宵も『由美』へのお越しをお待ち申し上げております。
 
 
 
♪京橋『シェ・イノ』 
*中央区京橋2−4−16 明治製菓本社ビル 1F tel 3274-2020 
http://www.manoirdinno.com/chef_index.html
 
 
♪銀座『福治』 ふぐ以外の“夏の魚彩”
*中央区銀座5-11-13 幸田ビル3F tel 03-5148-2922 http://r.gnavi.co.jp/g997500/
 
 
 




















 

由美グルメリンNo.3‥伝説のバーテンダー”『毛利隆雄 還暦パーティ&バーテンダー40周年祝賀パーティ』at 帝国ホテル♪ “祝10周年”銀座『毛利BAR』♪ 世界に名高い毛利氏のカクテル”『吉野』♪ “清水焼に映える”魚彩 銀座寿し処『原だ』♪

 
一年に七日の夜のみ逢ふ人の恋も過ぎねば夜は更けゆくも ―万葉集
 
この週末の九州地方は、豪雨による被害が相次ぎ、今尚、雨が降り続いているとの報に心よりお見舞い申し上げますが、梅雨曇の“七夕”はいかがお過ごしでしたか?

キリンズの“七夕の夕べ”は、「客におもねらず、満足させ、味で魅せ、人柄で魅せる」“伝説のバーテンダー”『毛利隆雄』の「還暦パーティ&バーテンダー40周年祝賀パーティ」へ、「帝国ホテル・富士の間」へと出かけておりましたが、この“七日の夜のみ”の会には、全国から集まった毛利氏の弟子の方々や、たくさんの『MORI BAR』ファンが集い、700人余りが集った大変な盛況で、そんな中、私は発起人のひとりとして、無事に終えられましたことと心よりお礼申し上げます。
さて、ここで『毛利隆雄』を少しご紹介させていただきますが、毛利氏は、1947年福岡県八女市に生まれ、野球一筋で過ごした戸畑高校から準社会人野球を経て、日本大学法学
部へ進学したものの、在学中にアルバイトした東京會舘で、バーテンダーの魅力を知り、卒業後は一貫して酒の楽しさを売るバーテンダーに徹し、その後、様々な名店・珍店を渡り歩いた後、「ガスライト霞ヶ関」を経て、銀座に『MORI BAR』を開店して今年で10年を迎えますが、その間、84・85年と日本バーテンダー協会(NBA)主催のカクテル・コンペでは“二年連続日本一”となり、さらに87年には日本代表として世界大会に出場し、味・技術部門でともに最高点(総合4位)を叩き出し、カクテルの王様と呼ばれる“マティーニ”を、独創的なアイデアと世界一美しいと言われるステアから創りだして、“マティーニの毛利”として、世間にその名を轟かせた“伝説のバーテンダー”です。
また、カクテルの腕はもちろんのこと、その人柄を慕っても毎夜多くの客が集い、毛利氏自身の会話の魅力も然る事ながら、洗練された身のこなしや、静か なダンディズムがいっそう、上質の酒場の雰囲気を醸し出し、そんな“BAR”の中の究極の“BAR”が、銀座6丁目の一角『MORI BAR』です。
http://www.foodrink.co.jp/backnumber/200111/news05b.html

 
さすたけの 君のすすむる うま酒に われ酔いけり そのうま酒に ―良寛
 
今年の“七夕の夕べ”は、そんな毛利氏を慕う素敵な仲間たちとの素晴らしい夜を過ごせましたが、あいにく、私には冒頭の万葉の歌のごとく、“一年七日の夜のみ逢ふ人”に巡り会えるようなロマンチックな想いはなかったものの、かわりに毛利氏のカクテル「吉野」の“うま酒”に“われ酔いけり”、「吉野」に浮かんだ桜の花の美が、幽玄の世界へと誘い込んでくれて、最高潮に達したままの気分で夜も更け行きました。
それでは今週は、毛利氏の“還暦”と“バーテンダー暦40周年”を祝いに『MORI BAR』へと、どうかお出かけいただけますようよろしくお願い致します。そして銀座へお越しの折には、是非『由美』と、毛利氏の“孫弟子”『けんたうろす』へのご来店も心よりお待ち申し上げております。
 

 
“祝10周年”♪『毛利BAR』 
*中央区銀座6-5-12 アートマスターズ銀座ビル10F tel 3573-0610
*世界に名高い毛利氏のカクテル”『吉野』(右端)
 
♪『マティーニ・イズム』
“伝説のバーテンダー”毛利隆雄著
♪“伝説のバーテンダー”
『毛利隆雄 還暦パーティ&バーテンダー40周年祝賀パーティ』
7, JULY, 2007 at 帝国ホテル 富士の間
♪『毛利隆雄 還暦パーティ&バーテンダー40周年祝賀パーティ』発起人一同
“発起人代表”北方謙三氏&浜 圭介氏の乾杯
 
♪“清水焼に映える”魚彩 寿し処『原だ』
*中央区銀座6-9-13 第1ポールスタービル2F
tel 3575-4007
 
 
 
 




















 
由美グルメリンNo.4‥NEW 『神野美伽』“新曲”7月11日発売「ふたりの旅栞」♪ 『High』“銀座の星を目指す女たち” 原作・登坂恵理香 作画・渡辺未知 by集英社♪ 「誰が信長を殺したのか」by『桐野作人』著♪ 白金台プラチナ通りの一角“Pizzeria”&“Ristorante”『Per Regalo』♪ “フレンチとイタリアンのフュージョン料理”銀座“BAR&RESTAURANT”『ボンサルーテ』♪
 
       洛中の   いづこにゐても   祇園囃子   ―山口 誓子
 
暦では“蓮始めて開く”「小暑」次候となりましたが、この週末から迎えます「海の日」の三連休はいかがお過ごしのご予定ですか?
キリンズは、二年ぶりの「祇園祭」に京都へ出かけようと思っておりますが、今年の「宵山」は「海の日」と重なることもあり、今から大変な混雑が予想されやや憂鬱な気分ですが、でも真夏の京の宵に、風情溢れる“コンチキチン”の“祇園囃子”を、人ごみに揉まれながら耳にするのも「祇園祭」ならではの醍醐味ですね。
さて、この時季“洛中のいづこにゐても”聴こえるこの“祇園囃子”は、16日の「宵山」や17日の「山鉾巡行」日しか演奏されていないと思われがですが、実際は、“曳き初め”の日の晩(12・13日)から「宵山」までずっと演奏されおり、 “祇園囃子”とは、元は能楽の影響で室町時代末期に成立し、江戸時代に今のような優雅な“お囃子”になったと伝えられている曲ですが、楽器は鉦、太鼓、笛の三重奏で奏でられ、曲目は各鉾それぞれに30曲近くあり、その多くが各鉾独特の“お囃子”です。
ちなみに、キリンズの二年前の「祇園祭」の折には、絢爛豪華な“鉾”の姿にばかり目がいってしまい、とても”お囃子”までは気がまわりませんでしたが、今年こそじっくりと、鉦と太鼓と笛が奏でる“コンチキチン”の音色の違いを聞き分けたいものでね。
 
祇園會や   真葛原の   風かほる  ―与謝蕪村
 
それでは、この三連休は“祇園囃子”の音色が鳴り響く中、“山鉾”の駒形提灯に火が灯り、巡行の前夜まで3日間続く「宵山」や、昔ながらの「祇園祭」の雰囲気を楽しみんで参りますので、あなた様も夏休み前の「海の日」のよき休日をお迎え下さいませ。
そして、たとえ今宵は雨模様でも、どうか「梅雨籠」などなさらずに、『由美』&『けんたうろす』へのお越しをお待ち申し上げております。
 
 
♪NEW 7月11日発売『神野美伽』“新曲”「ふたりの旅栞」 作詞・荒木とよひさ 作曲・岡 千秋
http://www.kingrecords.co.jp/shinnomika/index.html
♪『High』“銀座の星を目指す女たち” 
原作・登坂恵理香 作画・渡辺未知
♪「誰が信長を殺したのか」by 桐野作人著
 
 
 
♪白金台プラチナ通りの一角“Pizzeria”&“Ristorante”『Per Regalo』“1st Anniversary”
♪白金台『Per Pegalo』*港区白金台4-9-10 白金台グリーンリーブス1・2F
http://www.per-regalo.com/
 
♪銀座7丁目の一角 “BAR&RESTAURANT”『ボンサルーテ』*中央区銀座7-10-1 TEL.6858-1030
http://www.bonsalute.com/
http://www.wh-rsv.com/wh/hotels/ginza/restaurant.html
 
 




















 
由美グルメリンNo.5‥『けんたうろす』“夏のLPキャンペーン”♪ “桔梗”や“蓮”咲く「智積院」♪ 250鉢の“蓮の寺”「三室戸寺」♪ 雨の「祇園祭」“宵山”♪ “源 吉兆庵グループ”南禅寺・永観堂近くの落ち着いた雰囲気の和菓子店・菓匠『清閑院』♪
 

かすが野の のべのあさがほ おも影に みえつついもは わすれかねつも―大伴家持

 

暦では“鷹技を習う”「小暑」末候を迎え、台風4号や地震・・・と天災が続いた「海の日」の三連休でしたが、あなた様には何事も無くお過ごしでしたか?
私は台風の最中を、「祇園祭」で賑わう京都へと参りましたが、“野分の後”の「宵山」は、コンチキチンの“祇園囃子”が響く中、賑わいをすっかり取り戻して、京の中心街・四条通には、17日の「山鉾巡行」に備え、いくつもの“山鉾”が並べられ、雨の中を何十万人もの人出で賑わっておりましたが、今回の京都では、「祇園祭」の他、“紫陽花”で有名な「三室戸寺」にての“蓮”観賞や、また「智積院」にても“蓮”や“桔梗”を愛でることができ、古からの伝統と自然の美を愉しんで参りました。
さて、冒頭の家持の歌でも詠まれているように、楚々と咲く青紫色の「あさがほ=桔梗」の花姿は、夏の情趣を漂わせ心が和らぎますが、この花は“秋の七草”にも登場することから、“秋の花”と思われがちですが、6月下旬に咲き始め数週間で終わる”夏の花”で、「万葉集」の山上憶良の“七草の歌”の最後に「朝顔の花」として詠まれているのが、「桔梗の花」なのですが、万葉古名は“きちこう”、“乎加止々岐(おかととき)”で、“岡に咲く神草”の意から“オカトトキ”と名付けられ、その他では、平安時代の漢和辞典「本草和名」には“阿利乃比布岐(ありのひふき)”、また同時代の「和名聚抄」でも“阿利乃比布木”と記されており、この名は、蟻が「桔梗」の花びらを咬むと青紫色から赤色に変わることから、“蟻が口から火を吹いた”かのように見えることに由来しますが、これは蟻の口から出る蟻酸によって、咬んだ部分が酸性になり、花の色素が変化するために起こる現象で、古代の人たちの鋭い自然の観察力には感心させられますね。
http://www.hana300.com/kikyou.html
http://www.nenrin.or.jp/nara/sawayaka/life39/1.html
ところで、山上憶良の“七草の歌”の最後の「朝顔の花」は、なぜ「桔梗」なのかを調べてみましたら、憶良は他でも、「朝顔は朝露おひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけれ」と詠んでおり、この歌で“夕方の方が美しい”と詠まれている“朝顔”とは、おそらく“桔梗”か“木槿”に違いなく、ただ、“木槿”も夕方にはやや萎れる感じから、“桔梗”の方が有力で、さらに現在の“朝顔”が日本に渡来したのは、奈良時代の末頃から平安時代初めと言われていることから考えても、憶良の没年は733年ですから、当然、ヒルガオ科“アサガオ”は見ていないことになり、いずれにせよ“万葉の朝顔”こと「桔梗」は、この季節、優しい花姿で私達の目を楽しませ続けてくれている花であると言うことに変わりはありませんね。
 
きりきりしやんとしてさく桔梗かな  ―小林一茶
 
それでは、野や山や公園にと、あちこちに紫や白の“きりきりしやんとしてさく桔梗”が目につく頃となりましたが、今宵はそんな「桔梗」の花柄のいでたちにて、あなた様のご来店をお待ち申し上げておりますので、どうかたおやかなその紫色から、清々しい夏を知らせてくれる「桔梗」に、万葉の歌の如くそっと想いを馳せられるようなよき一週間をお過ごし下さいませ。
 
 
♪姉妹店『Shot bar けんたうろす』“夏のキャンペーン” 
*中央区銀座8-4-23 クレグラン銀座ビル1F 3574-8882
*詳しくは・・・ worksをご覧下さいませ。
 
♪『智積院』“蓮”&“桔梗” http://www.chisan.or.jp/sohonzan/
♪『三室戸寺』250鉢の色とりどりの“蓮園”
http://www.mimurotoji.com/

♪『祇園祭』“宵山”
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007071700047&genre=I1&area=K10

 
♪“源 吉兆庵グループ”南禅寺・永観堂近くの落ち着いた雰囲気の和菓子店 ・菓匠『清閑院』
*京都市左京区南禅寺草川町41番地12  tel 075-762-6200 
http://www.seikanin.co.jp/
 
 
 




















 

由美グルメリンNo.6‥“NEW”【由美VIP ROOM】北山杉を使い“和モダン”なイメージに生まれ変わりました♪ 『亜樹さん誕生日会』♪ 『山本音也』著・水戸の隠密「吉原しぐれ橋」♪ ベルーガ産キャビア&マダカ鮑の“贅沢三昧”銀座ステーキ『塩澤』♪

 
白南風の   夕浪高う   なりにけり  ―芥川龍之介
 
暦では“桐始めて花を結ぶ”「大暑」初候を迎ましたが、“大暑”とは名ばかりで、関東地方はやや「梅雨寒」の一週間でしたが、いかがお過ごしでしたか?

今日もこの「梅雨曇」の陰雲な空の下、朝から生暖かい灰色の風が吹いておりますが、どうか一日も早く、龍之介の句のごとく、梅雨明けの頃の“南風”「白南風(しろはえ)」が吹いて、“夕浪高うなりにけり”と「梅雨」が明けて欲しいものですね。

さて、現代人の感覚では多少薄れていますが、古人は“天気”に色を観ていて、今も「梅雨」に絡んだ言葉として、「梅雨」の初めに吹く南風を「黒南風(くろはえ)」と呼びますが、この言葉は“雨”は“黒色”、“晴れ”は“白色”と観て、“雲の色”からの命名なのですが、また「梅雨季」に“小雨が降りながら時々晴れそうになる”ことを「白映え(しろばえ)」とも言い、上記の句の「白南風(しろはえ・しらはえ)」とは、「梅雨」が明けて“黒雲”が去り、空に“巻雲”や“巻層雲”が白くかかる頃に吹く“南からの季節風”のことです。
ちなみに歳時記では、「黒南風」は仲夏(6月6日〜7月6日)、「白南風」は晩夏(7月7日〜8月7日)の季語に配されていて、「おもろさうし」(首里王府による官選歌謡集)の中には、「黒南風」に相当する語は見当りませんが、しかし、“梅雨明けの頃の南風”を「うらしろ(浦白)」と言い、「まはえ(真南風・正南風)」という語もありますが、これらは「白南風」と考えられ、おそらく唐や南蛮から富を運んだ風のことでしょうが、いわゆる“夏至南風”のことで、その他、久高島には「フシ・アギ(星上げ)」という風に名があり、この風も「黒南風」に相当するとみられています。
このように日本人は古来より“風とともに流るる心”を持ち、「風冴ゆる」冬から、「風光る」春へ、そして「風薫る」の青葉の頃から「風涼し」の夏へと、“風の便り”で季節を知り、“風”が季節の演出をして来てくれていますが、昔から“風の便り”に耳を傾ける生活は、“風雅”や“風情”や“風流”とか“風”の字のついた言葉で結びつけられ、そんな中、この時季の「白南風」とは、春先の「春一番」や、五月の「薫風」「青嵐」などの多くの“南の風”が吹いた後の、“梅雨明け間近”の“風流な”季節の情景を映し出してくれるかのようですね。
http://homepage1.nifty.com/portalsite/haiku/01kotogoto7-12.htm
http://www.okinawa-jma.go.jp/ishigaki/old/paikaji/200606/paikaji.html
 
白南風や   化粧に洩れし   耳の蔭  ―日野草城
 
それでは、今週はじめじめと降る「梅雨」に気持ちを暗にせず、心に“白映え”を観る趣を持ち、日々を過ごしたく思っておりますので、どうか『亜樹さん誕生日会』へのご来店を心よりお待ち致しております。そして、【由美VIP ROOM】は、北山杉を使い“和モダン”なイメージに生まれ変わりましたので、今宵もきっとあなた様よりのご予約をお待ち申し上げております。
 
♪7月23日〜25日『亜樹さん誕生日会』(右端)
 
 
 
♪NEW北山杉を使い“和モダン”なイメージの【由美VIP ROOM】
♪銀座『ステーキ塩澤』
*中央区銀座8-3-10 トミタビルB2F tel 3572-7613
 
 
 




















 
 

由美グルメリンNo.7‥Happy birthday to亜樹♪ 京橋の一角“ゴージャスなフレンチレストラン”『シェ イノ』での亜樹誕生会♪ 四谷“閑静な一軒家のフレンチ”『オテル・ドゥ・ミクニ』♪ “OPEN”7月24日「ドメイヌ・ドゥ・ミクニ」at 軽井沢♪

 
梅雨明を   待ちてワインを   開けもして   ―稲畑廣太郎
 
暦ではまもなく“土潤って蒸し暑し”「大暑」次候を迎える頃となり、関東地方では“梅雨明” を待ち望む蒸し暑い週末となりましたが、いかがお過ごしですか?
『由美』では、今週はこの「蕃秀」の最中の24日に“24歳の誕生日”を迎えた「亜樹さん」の誕生祝いをさせていただきましたが、29日の参議院議員選挙を間近にした銀座の街は、普段になく静かな7月のように思え、早く華やかな賑わいを取り戻してほしいものですね。

さて、古くは夏を「蕃秀(ばんしゅう)」と呼び、“蕃”は茂なり盛なり、“秀”は華なり美なりで、この言葉は“植物が生い茂る”との意からですが、夏は天地の気が活発に交流して、陽気は物の変化を促し、陰気は物の成長を助けるので、この時期には早寝早起きを心がけ、冷房や冷飲などできるだけ避けて、夏風邪などひかないように十分に気をつけないといけませんが、もうすぐ30日の「土用の丑の日」ですから、“夏の土用”には「土用蜆」「土用餅」「土用卵」など、単に“鰻”だけでなく少しでも“精の付くもの”を食して夏バテ解消に役立てたいですね。http://www.gld.mmtr.or.jp/~sumiyosi/sikinoyoujyou(natu).htm

ところで、なぜ「土用の丑の日」に“鰻”を食べるのか諸説様々で、以前www.yumi-ito.com essayNo.35 グルメリンNo.7にも、すでにその一説を書かせていただきましたが、江戸時代の本「天保侍話」によると「丑は土に属す。土用中の丑の日は両土相乗ずるものなり」とあることから、夏季に真味を発する鰻を、士気の最も旺盛なこの日に食べると気力を養う効能があるそうで、さらに“鰻”は、白身魚の割には蛋白質20%、脂肪分21%と栄養価が非常に高く、その他、ビタミンB1、B2、Dなど、特にAが多量に含まれ、このAとは夜盲症(トリ目)、皮膚のカサつき、骨や歯の成長に関係が深く、体力増強、強精食として、スタミナの必要な夏に適し、このことから考えても「土用の丑の日」に“鰻”を食べる習慣は、古人の経験に基づいた生活の知恵から生まれたものなのでしょうね。
 
梅雨明けの   夕風に抜く   白ワイン   ―高畑信子
 
それでは、この様子では八月にずれ込むとの予想の関東地方の“梅雨明け”ですが、今宵はそんな遅き“梅雨明け”待つ“夕風”の下、“白ワイン”と“鰻”を食しながら、花咲き実る盛んなこの「蕃秀」のひとときを、きっとご一緒していただけますこととお待申し上げております。
尚、『由美VIP ROOM』は、“北山杉”をモチーフに“和モダン”な雰囲気に改装致しましたので、八月のご予約もお待ち致しております。
 
 
♪Happy birthday to亜樹  24, JULY, 2007 at『由美VIP ROOM』
 
 
 
♪京橋の一角“ゴージャスなフレンチレストラン”
『シェ イノ』での“亜樹誕生会”
『シェ イノ』 *中央区京橋2−4−16 明治製菓本社ビル 1F 
tel 3274-2020 
http://www.manoirdinno.com/chef_index.html
 
♪四谷『オテル・ドゥ・ミクニ』 *新宿区若葉1-18  tel 3351-3810
http://www.oui-mikuni.co.jp/cgi-local/top/index.cgi

♪“NEW”7月24日OPEN「ドメイヌ・ドゥ・ミクニ」at 軽井沢
*長野県北佐久郡軽井沢町大字追分字小田井道下46-13  tel 0267-46-3924
 
 
 
 




















 

由美グルメリンNo.8‥暑中お見舞い申し上げます♪ 8月1日〜3日『由美夏祭り』♪ 逗子マリーナでの“海遊び”♪ “唯一無比の三田牛ステーキ”新橋『あら皮』♪ 料亭の雰囲気と“極上の松阪牛”築地『さとう』♪

 
正直に   梅雨雷の   ひとつかな  ―小林一茶
 
よく「雷が鳴れば梅雨明け」と言いますが、未だ関東地方は「梅雨明け宣言」が出されないまま“梅雨雷”鳴り響く中、月曜日を迎えましたが、国政選挙が行われたこの週末はいかがお過ごしでしたか?

キリンズは、“梅雨明”を待ち焦がれる猛暑の土曜日に「逗子マリーナ」へと“海遊び”に出かけ、クルーザーにて緑の山に囲まれた遠浅の青い海や湘南の海を一望し、湾をわたる涼風とともに、透明な「逗子」の海の煌めきにしばし暑さを忘れるひとときを楽しんで参りましたが、お蔭でひと足早い“夏休み気分”に浸れることができました。

さて、“残り梅雨”が続き陰鬱な様子の東京ですが、ひとくちに「梅雨」と言っても、その時期や降り方によって様々な言葉で表されていて、「雨の名前」(高橋順子著・小学館)によると、梅雨入り前の梅雨っぽい天候は「走り梅雨」、本格的な梅雨入りに先がけて少し前に降るのは「迎え梅雨」、そして梅雨後期の集中豪雨は「荒梅雨」「暴れ梅雨」で、最後に雷を伴って強く降るのが「送り梅雨」、さらに明けたと思ったら、また戻ってきて降るのが「戻り梅雨」や「返り梅雨」「残り梅雨」といろいろですが、「梅雨」は、時には男女で表されることもあり、やや小降りの雨が長く続くような「陰性の梅雨」が「女梅雨(おんなづゆ)」で、雨が降る時は短期間に大量に降り、降らないときはすっきりと晴れるような「陽性の梅雨」が「男梅雨(おとこづゆ)」と呼ばれていますが、でも、どうせ最後に降るのなら、ザーッと烈しく降ってはサッと止む「男梅雨」での“梅雨明”を迎えてほしいものですね。http://r25.jp/index.php/m/WB/a/WB001120/id/200606151117
 
梅雨明の   間近きことを   告げて降る  ―稲畑汀子
 
それでは、今年のような陽性の「男梅雨」の年は、まだまだ「送り梅雨」がひと暴れすることが多いようですので、“梅雨明”間近な今週は「暴れ梅雨」や「荒梅雨」で終わらないことと祈って、今宵もあなた様のご来店を心よりお待ち申し上げております。
 
♪暑中お見舞い申し上げます。
 
♪7月28日「逗子マリーナ」での“海遊び” Admilal号船上
 
♪“日本一の高級店”
新橋田村町“三田牛チャンピオン牛”のみの炭焼ステーキ『あら皮』
♪“唯一無比のステーキ”『あら皮』*港区新橋3-3-9 阪急交通社ビルB1 tel 3591-8765
 
♪料亭の雰囲気と“極上の松阪牛”築地『さとう』
♪“松阪牛チャンピオン牛”の店『築地さとう』中央区築地4-2-9 TEL 3541-2929
http://r.gnavi.co.jp/g014000/