No.57

由美グルメリン No.1‥-ハワイ・マウイ島への旅“カパルア”“カアナパリ”“ハナ”♪ オアフ島“カイルア”♪ 松阪チャンピオン牛『築地さとう』♪ 伊集院 静『美の旅人 フランスへ』♪
 
卯の花のともにし鳴けば霍公鳥いやめづらしも名告り鳴くなへ―大伴家持
 
暦では“蛙始めて鳴く”「立夏」初候を迎え、“はや夏”の陽気の毎日ですが、ゴールデンウイーク明けはいかがお過ごしですか?
『由美』では、今年の大型連休は、二年ぶりの“9連休”をいただき、私は常夏の島ハワイへ出かけておりましたが、帰国後の東京は、ハワイと変わらぬ連日の真夏日で、とくに昨日の宵は、袷の着物に汗ばみましたが、この初夏の気配とは裏腹に、銀座の街は、まだ長い休みから目覚めてない様子で、今日あたりからようやく、いつもの賑わいが戻りつつあるようですね。
さて、「立夏」の頃の景物はいろいろで、古くから、姿より鳴き声が喜ばれ、“立夏の日から鳴く”と「万葉集」の時代から詩歌にも詠われることの多い「ホトトギス」が、とくに親しまれた“夏鳥”ですが、当時の貴人は、「ホトトギス」が鳴くのを待ち焦がれ、また鳴かねば怨み、鳴けば鳴いたで物思いに誘われるほどで、「万葉集」で最も多く詠われている鳥で153首にも登場します。
中でも、大伴家持が詠んだ歌が多く、家持にとっての「ホトトギス」とは、“夏の初日”に鳴かなければならない鳥であり、“夏の初日”とは即ち“立夏の日”でもありました。
ところで、「ホトトギス」とは“ホトト・ギス”と鳴く声による名か、それとも“名告り鳴くホトトギス”と、冒頭の歌で詠まれているように、“己の名を告げて鳴く”声からなのか、“ス”は鳥を表す接尾語ですが、その鳴き声は極めて顕著で「てっぺんかけたか」「ほっちょんかけたか」などと聞える時もあり、漢字でも「杜鵑・霍公鳥・時鳥・子規・杜宇・不如帰・沓手鳥・蜀魂」などど様々に表され、古来の日本の文学、特に和歌には、「あやなしどり・くつてどり・うづきどり・しでのたおさ・たまむかえどり・夕影鳥・夜直鳥(ヨタダドリ)などの名で現われています。
また家持は、「万葉集」巻第十八で「暁に名告り鳴くなる霍公鳥いやめづらしく思ほゆるかも」と詠ったように、“暁に鳴くホトトギス”が好きだったようで、他にも「醜霍公鳥暁のうら悲しきに」(8-1507)、「暁月の影見えて鳴く霍公鳥」(19-4181)などを作っており、「常人も起きつつ聞くぞ霍公鳥この暁に來鳴く初聲」などは、もう今晩は眠らないで明日の“暁”を待つという歌で、「ホトトギス」の来鳴く“暁”は、「立夏の節」が来る“暁”だったのかと思われます。
 
霍公鳥来鳴き響もす岡辺なる藤波見には君は来じとや―万葉集
 
それでは、若葉が青葉につつまれて新緑が一段と映えて美しい季節になりましたが、今宵も彼方に家持が好んだ“霍公鳥”鳴く中、“藤の花”の柄の装いにてお待ち致しておりますので、あなた様ときっとお会いできますことと楽しみにしております。
 
 
♪12年間ご苦労様でした
“奈々子さん”最後の『由美』 27,April 2007
♪伊集院 静『美の旅人 フランスへ』 
http://www.ijuin-shizuka.com/news/index.htm
 
♪『カパルア』“プランテーションコース”&『カワナパリ』“ロイヤルコース

♪“シュガートレイン”レーン & カワナパリビーチの夕陽

♪東マウイ“ハナ・ブラックサンドビーチ”& “ハナビーチ”
♪オアフ“カイルアビーチ” & “この木なんの木”
 
 
♪松阪チャンピオン牛のお店『築地さとう』 *中央区築地4-2-9  tel 3451-2929
http://r.gnavi.co.jp/g014000/
 
 




















 
由美グルメリンNo.2‥新緑萌える「府中CC」♪ 『けんたうろす』5月のカクテル“朝靄の雫”♪ 『細川護煕展』at日本橋「壺中居」♪ 『井上俊一展』at京都「ギャラリーなかむら」♪ “寿司岩プロデュース”『いさご鮨』“初夏の魚彩”♪ 六本木『かに瀬里奈』で過ごした“母の日”♪ “伝統のフレンチ”京橋『シェ・イノ』♪
 
一せいに   橡の若葉の   吹かれたる  ―星野立子
 
暦ではまもなく“筍生ず”「立夏」末候となりますが、「母の日」の日曜日はいかがお過ごしでしたか?
キリンズは、久しぶりに“母親孝行”の一日でしたが、お蔭で、初夏の柔らかな日差しを浴び、カーネーションの“朱一色”に染まった街でのひとときは、爽やかな薫風が心地好くて、あらためて、母に感謝出来た休日でした。
さて、この「母の日」の前日は、“若葉の吹かれたる”中を「府中CC」へゴルフに出かけておりましたが、あいにく「府中CC」では、藤の花も枯れ、僅かに「皐月(さつき)」のみが、ホトトギスが鳴く“緑一色”の森に、微かな彩りを与えてくれていましたが、この「皐月」とは「躑躅」の一種で、「皐月躑躅」を略したものですが、旧暦の皐月(5月)に咲くことから命名されて、「杜鵑花(ホトトギス)」が鳴く頃に、咲く花であることから「杜鵑花」とも書かかれます。
ところで、この季節は、冒頭の句の如く、「橡の木」の新緑の若葉が鮮やかで、サワサワと風に泳ぐ様は、「天狗の葉うちわ」を彷彿させるようで、“橡の若葉”が、風に吹かれて青空に透けて見える風雅を愉しめますが、 この「橡」は“栃”とも書かかれ、その名の由来は、“と”は数字の“十”を表し、“実が多い木”の意味からですが、花からは蜜が、種子からはでんぷんが採れて、特にトチ蜜(とちみつ)は、最高品質のものとして知られています。
また、栗のような形の実は、すり潰して渋抜きして「とち餅」にしますが、“栃の実”は、実は縄文時代から重要な食料として知られ、どんぐりなどとともに主食の一部でしたが、今号では、この“栃の実”に因んだ「面食らう」と云う“ことわざ”の由来を調べてみました。
その由来とは・・・・昔、“栃の実”から、そばに似た「栃麺(とちめん)」を作っていて、但し、粉を練った物がすぐに固まってしまうため、あわてて麺棒をふるう必要があり、そこで「栃麺、棒をふるう」→「栃麺、棒を食らう」→「麺、棒を食らう」 →「麺、食らう」→「面食らう」と変化して、”あわてふためく”の意味になったそうですが、ちなみに、この“栃の実”からは、「面食らう」以外にもう一つよく知られている言葉が生れていて、その言葉とは「とちる」ですが、この語源は“トチメク”という古い言葉からで、ここでも“栃麺”を作る様子のせわしなさから、慌てる・うろたえるという意味の「トチメク」という言葉ができ、現在の「とちる」という言葉になったと云われています。
http://www.hana300.com/tochin.html
 
おのがじし光ふくみてそよぎゐる橡若葉なり山毛欅若葉なり ―若山牧水
 
それでは、“橡若葉”や“山毛欅若葉”が目に眩しく輝き、生きとし生けるものすべてが、生き生きと躍動する新緑の季節となりましたが、どうか“橡の葉”が風に棚引き、そんな“みどりみどり”した今宵も、『由美』&『けんたうろす』へのご来店を心よりお待ち申し上げております。
 
 
 

♪『けんたうろす』
5月のカクテル“朝靄の雫”
♪『細川護煕展』
5月22日〜26日 
日本橋「壺中居」中央区日本橋 3-8-5
tel 3271-1835
♪『井上俊一展』5月22日〜6月17日
 「ギャラリーなかむら」
京都市中京区姉小路通河原町東入
tel 075-231-6632
 
 
♪“寿司岩プロデュース”『いそご鮨』
http://www.isago.jp/index.html
 
六本木『かに瀬里奈』
http://www.seryna.co.jp/shop/kani.html
 
♪京橋『シェ・イノ』
*中央区京橋2−4−16 明治製菓本社ビル 1F tel 3274-2020 
http://restaurant.ikyu.com/rsDatas/rsData100500/r100199/r100199v.htm
http://www.manoirdinno.com/chef_index.html
 




















 

由美グルメリンNo.3‥“みどりさん誕生日会”♪ 大相撲5月場所“四日目”観戦♪  “魯山人が愛した寿司の名店”『銀座 久兵衛』“本館5階カウンター“初夏の旬魚”♪ “創業120年の老舗の伝統を守り抜く”『銀座 寿司幸本店』2階カウンター“鮪三昧”♪

 
風若葉   うらがへりては   色を消す  ―山口青邨
 
今日は朝から、幽暗な空の下、木立を抜け、木々の間の草花を揺らして空に舞い上がって行く「青嵐」が吹き渡っていましたが、お蔭で今は、風雨も止み、穏やかな“風若葉”の午後となりましたが、いかが過ごしですか?

この「青嵐」とは、初夏の頃の青葉・若葉を吹く強い風のことで、今朝のように雨を伴って吹くことも多く、「せいらん」「あおあらし」と読みますが、その風が緑の香りを運ぶと見立てたのが“風薫る”「薫風」で、湧き上がる風に青葉の香りが立ち上がるのは「青嵐」と同じですが、“風若葉”や「薫風」の方がより優しい感じで、“風薫る五月”などという常套句にもよく使われていますね。

さて、太陽の光を透かして見える「若葉」には、筆舌に尽くし難い美しさがあり、木の種類によっては、各々が独自の色相を持ち、晴れた日ばかりか雨の風情にも似合いますが、 この「若葉」には、冒頭の句以外にも、様々な季語があり、〔若葉風〕〔若葉晴〕〔若葉時〕など時節を表すものや、樹木に付いた“新葉”の特徴をイメージするものがあり、中でも「柿若葉(初夏のつやつやと明るく美しい柿の葉)」や「朴若葉」などが有名ですが、他にも「椎若葉」(関東以西に自生するブナ科のこんもりとした大樹の常緑高木)、「谷若葉」「里若葉」「山若葉」「若葉寒」「若葉冷え」「若葉雨」「若葉曇り」などと実に様々な季語で表され、このように「若緑」の“葉”には生きる力を感じ、古木からも「若葉」という“生命”が湧き出てくるかのように思えます。また、青々とした「若葉」のことを「新緑」と言っていますが、「新緑」には、世の中を一新する潔さがあり、夏の盛りなら「万緑」。そしてこの「若葉」より少し成長した頃の“青々とした葉”が「青葉」で、「若葉」は“若々しさ”を、「青葉」はその色を特徴としていますが、ちなみに「若葉」に覆われた木立を指すのが「新樹」で、「新緑」とは「若葉」を“見届ける”見え方ですが、「新樹」の方は遠目からの視点が感じられるような気がします。
http://jiten.cside3.jp/dictionary_use/dictionary%20use_16.htm
http://www.okayama-u.ac.jp/user/hasep/yh-seminar/2003b/Tada_31127.htm
 
音たてゝ   吹きなびきをり   橡若葉  ―星野立子
 
それでは、“若葉風”に裏返っていた「橡若葉」も、午後からは、夕日に映えて美しい“夕若葉”となりますから、今宵も初夏の「新樹」の並木通りの景観を愉しみに、どうか銀座へとお越しいただけますことと、あなた様のご来店を心よりお待ち致しております。
そして来週は、そんな「青葉」のごとく、“碧色に萌ゆる”『みどりさん』の「誕生日会」を催させていただきますので、きっと、『由美』にてご一緒にお祝いいただけますことと楽しみにお待ち申し上げております。
 

♪5月21日〜23日『みどりさん誕生日会』
 
♪『神野美伽』2007年リサイタル
10月3日「渋谷C.C.Lemonホール」
http://www.geiei.co.jp/profile/sinnnomika/sinnnomik.html
http://www.kingrecords.co.jp/shinnomika/index.html
 
♪『大相撲五月場所』“四日目観戦” http://www.sumo.or.jp/
 
♪銀座『久兵衛』本館 * 東京都中央区銀座8-7-6 tel 03-3571-6523
http://www.kyubey.jp/
♪銀座『久兵衛』5階カウンター 今田洋輔二代目ご主人
 
♪銀座『寿司幸本店』 *東京都中央区銀座6-3-8 03-3571-1968
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000609029/M0013000995/

♪銀座『寿司幸本店』2階カウンター 杉山 衛四代目ご主人
 
 




















 
由美グルメリンNo.4‥【みどりさん誕生日会】   “医食同源”薬膳料理『Xing-Fu(シンフウ)』銀座本店♪ “130種類のワインとイタリアン料理”銀座『スペース』♪
 
プラタナス   夜もみどりなる   夏は来ぬ  ―石田波郷
 
5月21日は、“蚕起きて桑を食う”「小満」初候を迎えましたが、紅花咲き、麦実るような爽やかな週はじめはいかがお過ごしですか?
「小満」とは暦上では、「陽の気が高調し、万物がほぼ満ち足りてくる頃」で、そう言われれば、一昨日早朝の激しい雨と、“青嵐”の暴れっぷりは、まさに“陽”の極致でしたが、変わって、昨日の関東地方は、台風2号の影響もなく、穏やかな夏日で、お蔭で今日も“万物満ち足りた”一日となりました。
さて、冒頭の句は、「小満」の時季にはやや遅いものの、この句は、波郷が近代俳句発祥の地とも云うべき松山から上京した頃に詠まれたもので、田舎から出てきた青年にとっての都会の夜は、驚くほど明るかったに違いなくて、おそらく、「プラタナス」かどうかさえ見分けもつかないまま、「夜も」の“も”に、軽い驚きと感動を含ませて詠んでいますが、店のネオンの灯りや、街灯に照らし出された街路樹の「プラタナス」の「みどり」が、さぞ新鮮に思えたのでしょうが、「夜もみどりなる」と、街灯に照らし出された瑞々しい“新緑のプラタナス”に焦点を当てて、都会の夏の訪れを捉え、また、「夏は来ぬ」と、その表現の中に“夏の訪れ”を詠み込むことによって、我が青春もまたかくの如し、と青春を抒情した一句ですね。http://www.01.246.ne.jp/~yo-fuse/bungaku/hakyou/hakyou.html
『由美』では、今週は、そんな波郷の若き日に想いを馳せて、草木の生い茂るこの「小満」初候の21日〜23日と、【みどりさん誕生日会】を開くこととなりましたので、どうか今宵も、銀座並木通りの“夜もみどりなる”「プラタナス」の風雅を愉しんでいただけますことと、ご来店心よりお待ち申し上げております。
 
木の精が   ゐそうな樟の   若葉かな  ―塚原 游子
 
それでは、“樟の若葉”が、湧き上がるように“きみどり”に輝き、見渡す限り、すべて“みどり”一色の「小満」となりましたが、どうか今週は、「万緑」の目に沁み入るような美しさを愉しめるよき一週間をお過ごし下さいませ。
 
♪5月21日〜23日【みどりさん誕生日会】
 
♪中国薬膳料理『Xing-fu』*中央区銀座6-9-9 かねまつビル6F tel 3289-4245
http://www.xingfu.co.jp/  http://r.gnavi.co.jp/a337800/
 
♪イタリアン料理&バー『スペース』
tel 03-5568-7540 * 中央区銀座7-8-1 渋谷ビル3F
http://www.ozmall.co.jp/restaurant/1070/dining.asp
 
 
 
 




















 
由美グルメリンNo.5‥“Happy birthday to みどりさん”♪ 古き良き時代の銀座の風情を残す『鳥長』♪ 初夏の“魚彩” 銀座すし処『きたむら』♪ “旬魚”の彩り 銀座『なら本』♪ 
 

下闇に   ただ山百合の   白さかな  ―正岡子規

 

暦ではまもなく“紅花栄う”「小満」次候となりますが、清々しい陽気の今週はいかがお過ごしですか?
ただ、この後の関東地方は、明日から土曜までは雨模様の様子で、“五月”の爽やかなる青空を拝めそうにもないようですが、でも、代わりに家で十分に、“衣更え”をする時間ができそうですね。
さて、“五月”と付く言葉には、「五月晴れ」「五月雨」「五月闇」などいろいろありますが、元は、これらの言葉に付いている“五月”とは、旧暦の五月、つまり現在の“六月”頃のことを指し、本来の「五月晴れ」とは、六月の梅雨の間に時々ある晴れ“梅雨晴れ”のことを意味するようですが、しかし、今ではすっかり、“新暦五月のすがすがしい晴れ”のことを指すようになり、こちらの方が定着し、辞書にも「五月晴れ」は、1. 新暦五月頃のよく晴れた天気。
2. 陰暦五月の、梅雨の晴れ間。梅雨晴れ。大辞林(三省堂)より― と、二つの意味が記載されています。
一方、「五月雨」は、松尾芭蕉の有名な句、【五月雨をあつめて早し最上川】にも出てくるように、“連日降り続く雨が最上川に流れ込んで、速く流れている”という意味で、この句も毎日雨が降り続く梅雨の時期、現在の六月頃に詠まれていますが、しかし、「五月雨」の方には、「新暦五月に降る雨」という意味はなく、「五月晴れ」と「五月雨」は、いつの間にか同じ“五月”と付く言葉でも、時代とともに変化を遂げている言葉と、そのまま使われている言葉とに、分かれてしまったようですね。
http://www.nhk.or.jp/a-room/kininaru/2005/05/0523.html
ところで、“五月”の付く言葉でも、「五月蝿」は“さばえ”と読み、この“蝿”は、元々“ミツバチ”を表し、日本書紀の推古35年(627)の条に「五月蝿有り集まりてこりかさなること十丈、大空を飛んで信濃坂を越え、鳴音雷の如く、東上野に至って散る」とありますが、ここでの「五月蝿」は“ミツバチ”のことで、当時はまだ、“ミツバチ”という言葉がなかったため、ぶんぶんと群れて飛ぶ虫“ミツバチ”を、“蝿”の群れと表現したのだそうですが、やがて「五月蝿」は、“数が多い”とか、“うるさい”という意味でも使われるようになり、夏目漱石が小説の中で「五月蝿い」と書いて「うるさい」と読ませたのが一般的になりました。http://www.cans-jp.co.jp/info/coffeeb-5.html
また、池波正太郎ファンならご存知でしょうが、鬼平犯科帳シリーズの中に「五月闇」という一編があり、密偵・伊佐次が、過去の因縁から盗賊強矢の伊佐蔵に刺し殺されてしまうという重く暗い内容で、そのストーリーから、このタイトルが深く心に残っていますが、「五月闇」とは本来、梅雨時分の夜の暗さを表す言葉ですが、日常、新暦に親しんでいる現代では、その語感から受けるイメージは、実は「青葉闇」に近いような気がして、“初夏”とか“薫風”だとか、とかく明るく爽やかな言葉で語られるこの時季ですが、陽射しが明るければ明るいほど色濃く茂った青葉葉の“下の闇”は深くなり、この夏木立が鬱蒼と茂り、昼なお暗い様子が、冒頭の子規の句の「下闇」なのでしょうが、この“闇”は、“真っ暗な闇”というよりは、初夏の陽射しがあまりに眩いがゆえに、樹林の下に入った時の対照的な暗さの印象をいったものでしょうか、この言葉には暗さと同時に「静寂」さも感じられるかのように思えますね。 http://www6.ocn.ne.jp/~mi-bai/aman2/s-aman5.html
 
下闇や   目捷(もくせふ)に在る   煙草の火  ―日野草城
 
それでは“みどり”も繁りだして、辺り一面に濃い新樹の“木の下”「下闇」の季節となりましたが、梅雨のねっとりとした瘴気が立ち込める水無月を迎えます前に、どうか『由美』&『けんたうろす』へのお越しをお待ち申し上げております。そして、残り僅かな“五月”ですが、きっと【みどりさんの誕生日】にも、お祝いいただけますこととご来店を心よりお待ち致しております。
 
 
♪“Happy birthday toみどりさん”  21, MAY, 2007
♪昭和中期から時間が止まったような店『鳥長』
“昭和の香りそのままの佇まい”
*中央区銀座8-6-22 03-3571-4650
 
 
♪初夏の“魚彩” 銀座すし処『きたむら』 
*中央区銀座4-3-2 槁ビルB1  03-3564-3640
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000606195/U0002109180/
 

♪“旬魚”の彩り 銀座『なら本』
*中央区銀座7-6-4 フィーラ銀座ビルB1 03-3573-4000
http://www.naramoto.com/
 




















 

由美グルメリンNo.6‥みどりさん誕生日にはたくさんのお祝いをありがとうございました♪ 睡蓮浮かぶ“真夏日”の『久邇CC』♪ 清水焼に映える“魚彩”銀座 寿し処『原だ』♪ 完全予約制の“隠れ家”銀座 寿司処『加納』♪ 

 
水うはぬるむ水無月の  夏かげくらき隠り沼に
花こそひらけ、観法の   日々を睡蓮のかた笑ひ。

しろがね色の花萼に、いちすのかをり焚きくゆる
蘂は、ひめもす薫習の  沼の気に染みてたゆたひぬ。―薄田泣菫「睡蓮の歌」より
 
この日曜日は、大分で36・1度と初の「猛暑日」を記録し、関東地方でも今年最高の29度を観測した“真夏日”したが、いかがお過ごしでしたか?
キリンズは、奥武蔵の山並みを背景に、今なお武蔵野の面影を随所に残す美しい林間コース『久邇CC』へと行き、静寂ただよう武蔵野の自然の中で、プレーとともに小鳥たちの囀りを耳にしながら、初夏の花々を存分に堪能できた休日でしたが、中でも冒頭の詩の如く、池に“睡蓮”が可憐に浮かぶ美しさが際立ち、モネの絵画のような優雅さで、ばら色のハーモニーを奏でておりました。

さて、全国でも“初”となったこの「猛暑日」とは、これまでは気象用語としての定義はなく、“酷暑”とともに普段と比べて“猛烈に暑い”ときの表現として、しばしば報道や日常会話で使われていたものを、2007年4月1日の気象用語改正により、“最高気温が摂氏35度以上の日”をこう呼ぶようになったものですが、ただ、この“初”はあまり喜ばれるものでなはいように思われ、出来れば、まだしばらくは、“梅雨入り前”の爽やかな季節の恩恵に授かっていたいものですね。

ちなみに、この改正には「地球温暖化」「熱中症」「落雪害」も追加されて、さらに「ダウンバースト」と「トルネード」研究で有名な故・藤田哲也博士が提唱し、竜巻等の突風に関する尺度として世界的に利用されている「藤田スケール(Fスケール)」も採用されましたが、ところで、この「Fスケール」の“竜巻博士”は、実は、野茂選手より以前から「Mr.トルネード」として、世界にその名を知られており、参考までに、著書「ある気象学者の一生」に書いてある「藤田スケール」
の定義を紹介してみますと・・・
*〈F0 風速17m/s 〜 32m/s 煙突やテレビのアンテナが壊れる.小枝が折れ、根の浅い木が風に押され傾くことがある〉
*〈F1 風速33m/s 〜 49m/s 屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる.ビニールハウスの被害甚大.走行中の車が横風を受けて、道から吹き落とされることがある〉
*〈F2 風速50m/s 〜 690m/s 住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する.大木が倒れ車が道から吹き飛ばされ、列車が脱線することがある〉
*〈F3 風速70m/s 〜 91m/s 壁が押し倒され、鉄骨づくりがつぶれる.列車が転覆し、大木が根こそぎになることがある、ミステリーが起こりはじめる〉
*〈F4 風速93m/s〜116m/s住家がバラバラになって飛散、弱い非住家は跡形もなく吹き飛び、1トン以上もある物体が降ってきて、ミステリーが起こる〉
*〈F5 風速117m/s〜142m/s人家が跡形もなく吹き飛び、立木の皮がはぎとられ、車や列車が飛ばされ数トンもある物体が、どこからともなく降ってくる〉・・・などで、
中でも〈F3の「ミステリーが起こり始める」〉という文に、竜巻の猛烈な強さを感じますが、日本ではこれまでに〈F3〉の2例のみ
(1990・12月千葉県茂原市と1999・9月愛知県豊橋市)しか発生しておらず、アメリカでは過去に〈F6風速143m/s〜170m/s 〉の竜巻が観測されたこともあり、「藤田スケール」の最高ランクは〈F12風速330m/s〜365m/s〉ですが、これは風速が音速に等しい状態で、もちろん地球上ではこんな風は吹くことはなく心配には及びませんが、藤田博士には、この他にも、飛行機の離発着などに重大な影響を与える「ダウンバースト」と呼ばれる風の発見など数多くの業績があり、もし、ノーベル賞に気象学の分野があれば必ず受賞しただろうと言われています。http://www.wmw.co.jp/200304.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%9B%E6%9A%91
それでは、“初”「猛暑日」のお蔭で、思いがけず「藤田スチール」の話題に飛んでしまいましたが、どうか、戦後間もない昭和22年、研究のためアメリカに渡り、「トルネード」の研究で、全米にその名を知られたそんな日本人・藤田哲也(元シカゴ大学名誉教授)博士が存在したことを、この機会に是非知っていただきたく存じます。そして、今週も水無月を迎えます前に、また『由美』&『けんたうろす』へお越しいただけますことと、あなた様のご来店を心よりお待ち申し上げております。
 
 
 
♪“胡蝶蘭に囲まれて” Happy birthday to みどり
 
♪モネのごとく“ばら色のハーモニー”を奏でる『久邇CC』 
http://www.princehotels.co.jp/golf/kuni/index.html
 
 
♪清水焼に映える“魚彩” 銀座 寿し処『原だ』
*中央区銀座6-9-13 第1ポールスタービル2F
tel 03-3575-4007
 
♪完全予約制の“隠れ家”銀座 寿司処『加納』
 *中央区銀座5-4-15 エフローレビル4F
tel 3571-8177
http://www.ginzanoyoru.com/shopinfo/35716081/35716081.html
 




















 
 

由美グルメリンNo.7‥荒木とよひさ・俵 万智『恋文』 by中央公論社♪ 『さかもと未明』「マンガ ローマ帝国の歴史3」 by講談社♪ “松阪チャンピオン牛づくし”『築地さとう』♪ 新潟の“酒と旬菜”『越後・叶家』銀座店♪

 
「背壁残燈経宿焔。開箱衣帯隔年香。」
壁に背ける燈は宿を経たる焔を残せり、
箱を開ける衣は年を隔てたる香を帯びたり「早夏暁興」―白居易
 
暦では“麦秋至る”「小満」末候を迎え、今日は、昨夜からの雨もすっかり上がって、爽やかな一日となりましたが、いかがお過ごしですか?

明日6月1日は、夏服に替える“衣更え”の日ですが、キリンズは一晩かけて、ようやく数段の桐の箱の中から、薫香焚きこめた“一重”の着物を取り出し、今からもう明日の「更衣」に備えていますが、この“衣更え”とは、かつて宮中では、旧暦の四月一日をもって「更衣(ころもがへ)」とし、現在の“衣更え”は、この習慣が下々に普及したものからだそうですが、「更衣」とは同時に“夏のはじまり”でもありました。

さて、そんな「更衣」の雰囲気がよく表れているのが、冒頭の「白居易」の詩ですが、この詩は実は、平安王朝の貴族に愛唱され、詩歌や美意識を学ぶ必須の教科書にもなってい た『和漢朗詠集』の「夏の巻」<更衣の歌>に記されていて、その巻頭は日本人の作った詩歌ではなく、平安貴族に殊の外、愛された「白居易」のこの詩で、「夜も短くなった。壁に向けた燈火は、一夜を経てもまだ燃え尽きずにいる。今日は衣替え。箱を開いて取り出た衣は、去年焚き染めた薫香をいまだに帯びている。」と、いった意味のものですが、昔の夏というものを、前の年に炊き染めた夏衣の香りとともに始まったのを教えてくれるかのようで、リアルな生活感をそのまま詩に昇華させているように思われます。
また、このように、中国の詩ではあっても、この「更衣」の部分が『和漢朗詠集』に採られたのは、平安貴族たちにも、強い実感とともに受け止められたからでしょうが、前の年の衣に染みた薫香は、虫除けのために焚かれたものでしょうか・・・ それとも、個人的に好んで多く用いた香りや、流行った香りなのでしょうか・・・
何れにしても、「更衣」の日とは、心は、過ぎ去った前年の夏へと戻り、喜怒哀楽や失ったことの数々を蘇らせながら、また新たな夏を迎える準備をすることになり、“香り”というのは、心の過去と今を繋ぐもので、過ぎ去った様々なものを“香り”の中に思い出し、そして心の中で遡行を繰り返しながら、人は現在を生きる力を得ていくもののようですね。http://www.t-net.ne.jp/~kirita/po/toro21.html
 
けふ更に かへまくもなし 馴れきつる はな色衣 ころも経ずして―「室の八島」<更衣>
 
それでは、明日からは、いよいよ桜をはじめ、色とりどりに花の色の袂を染めて楽しんで着ていた“袷”の時季も終わり、“夏の薄衣”に替えなければならない“更衣”ですが、何故か今宵は、いっそう“衣更え”をするのが惜しく思われてならず、ひそかに“袷”の絹の重さに別れを告げていますが、どうか迎えます水無月も『由美』&『けんたうろす』をよろしくお願い致します。
 
 
♪4月27日まで“奈々子さん”
 「長い間お疲れ様でした・・・」
 

♪『さかもと未明』「マンガ ローマ帝国の歴史3」講談社
♪荒木とよひさ・俵 万智『恋文』中央公論社
http://www.arakitoyohisa.com/index.html
http://blog.goo.ne.jp/sakamoto-mimei

 
 
松阪チャンピオン牛のお店『築地さとう』 *中央区築地4-2-9  tel 3451-2929
http://r.gnavi.co.jp/g014000/
 
♪新潟の“酒と旬菜”『越後・叶家』銀座店 *中央区銀座7-15-5 共同ビルB1 3542-8607
http://www.kanou-ya.com
http://r.gnavi.co.jp/g781106/