No.55

由美グルメリン No.1‥-『由美雛祭り』♪ “真美さん誕生日会”♪ 2月28日“OPEN”銀座7丁目 寿司『なら本』♪ “会津の郷土料理”と“会津の酒処” 新橋『おきあがり小法師』♪
 
沈丁花 いまだは咲かぬ 葉がくれの
くれなゐ蕾 匂ひこぼるる ―若山牧水
 
今日から弥生となり、“草木萌え動く”「雨水」も末候を迎えましたが、暖かい風にのって「沈丁花」の甘い香りが漂う、うららかな週末はいかがお過ごしですか?
今日三月一日の花は、冒頭の牧水の歌にも詠われた「沈丁花」ですが、この花は姿を見るより先に、その芳香で存在が分かる花で、芳香が遠くに及ぶことは、夏の「梔子」、秋の「金木犀」と並び称される花ですが、今号では、この三月の開花ラッシュの始まりを告げる花・「沈丁花」の名の由来について調べてました。
さて、この「沈丁花」の漢名は「瑞香(ずいこう)」で、元は中国より室町時代に日本へ渡来したと云われていますが、その花芽は、12月頃から芽生えはじめ、 実際に咲き出すまでの間、寒い中を三ヶ月ほどそのままで過ごし、“蕾”のままでも、いち早く春の香を届けてくれる花とされ、その語源は、香りは「沈香(じんこう)」という香りに似て、葉の形が「丁子(ちょうじ)」という植物に似ているところから「沈丁花」と名付けられました。
また、「沈丁花」には、雌雄があり、日本にある「沈丁花」の木は、殆どが雄株で、雌株は滅多に見られませんが、古来より挿し木によって増やされ、その赤く丸い果実は有毒ですが、花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われ、枝の繊維は紙の原料にもなっています。
ちなみに、上記「沈香」とは、「沈水香木」の略で、ジンチョウゲ科の天然の香木から取った“お香”で、中でも、アジアの熱帯地方にあるジンチョウゲ科の香木の“古木”を土に埋めてつくった最上級の“お香”が「伽羅(きゃら)」という“お香”ですが、この「伽羅」は、大変高価で貴重な“香”であることから、高級なものを表したり、また、美しい女性を“伽羅女(きゃらめ)”と呼んだり、その他では、金銀の隠語にも使われますが、古くは『日本書紀』に、推古3年(597年)、淡路島に漂着したと記されていて、この「伽羅」の香木は、足利義政、織田信長、明治天皇が、斬り取ったとされる正倉院御物の「蘭奢待(らんじゃたい)」が特に有名ですが、その高貴かつ優雅な香りは、すべての香りの王者とも云えるのに相応しいもののようです。
http://www.page.sannet.ne.jp/mahekawa/jinchouge.htm
 
いきいきと   三月生る   雲の奥   ―飯田龍太
 
それではこの週末は、亡き俳人飯田龍太を偲び、遥か山梨の彼方から香る“千里花”「沈丁花」の春の香りに誘われて、野鳥とともに、空に浮かぶ“雲の奥”へと、飛び立てられるような、そんな“いきいき”としたよき休日をお迎え下さいませ。
そして、今宵は、梅・辛夷・木蓮・桃・桜・・・と、「沈丁花」が咲くと次々に咲き始める春の花々を描いた華美な装いにて、あなた様のお越しをお待ち致しておりますので、どうか『由美雛祭り』へのご来店を心よりお待ち申し上げております。
 
 
♪『けんたうろす』3月のカクテル“LOVE 雛”
 
NEW ! 2月28日“OPEN” 銀座7丁目 寿司『なら本』
♪寿司『なら本』 *中央区銀座7-6-4 フィーラ銀座ビルB1 tel 3573-4000
http://www.naramoto.com
♪奈良本健史ご主人 “きりんざん”&“鬼羅” http://www.kirinzan.co.jp/ http://www.sake-suehiro.jp/
 
 
♪『おきあがり小法師』 
*港区新橋3-3-9 阪急交通社ビルB1
TEL:03-3501-7935 
http://bit.softin.jp/kobushi/
http://r.gnavi.co.jp/a803400/
♪“会津の郷土料理”と“会津の酒処” 新橋『おきあがり小法師』
http://www.sake-suehiro.jp/
 
 




















 
由美グルメリンNo.2‥【真美さん誕生日会】♪ 【神野美伽】大阪・新歌舞伎座“座長公演” 大相撲『女将さん奮闘記』〜3月25日迄♪ 京都・花見小路“和のもてなし”『花郷』&別邸『乾坤』♪ “新鮮な魚彩”堺 『割烹 新藤』♪
 
啓蟄の   土洞然と開き  ―阿波野青畝
 
暦では、まもなく“巣籠もりの虫戸を開く”「啓蟄」初候を迎える頃となりましたが、昨日、日曜の各地では、南からの暖かい風の影響で、20度を越すところも多く、やや暑いくらいのぽかぽか陽気の週末でしたが、いかがお過ごしでしたか?
キリンズの週末は、友人の『神野美伽』さんの“初座長公演”の応援に、大阪なんばの「新歌舞伎座」へと出かけ、この4日から始まった「大相撲 女将さん奮闘記」(〜3月25日迄)の初日を観劇し、美伽さんの魅力溢れるお芝居と、迫力いっぱいに唄いあげる歌謡ショーを愉しんで参りましたが、あいにく、この陽気のお蔭で、大阪では皆花粉に苦しみ、お芝居で泣かされたうえ、さらに花粉で涙ぐんだ大阪でしたが、こうしている今でも、朝から目の痒みや、クシャミと戦っているほどです。
(神野美伽主演「女将さん奮闘記」共演 赤井秀和・京 唄子・小野寺 昭 他)http://www.shinkabukiza.co.jp/
さて、明日6日は、こんな陽気に相応しい「啓蟄」ですが、この「啓蟄」の漢字は、“啓”は“開く”の意を、“蟄”は“巣篭り”を表し、土中に冬眠していた虫が、この時季になると、長い冬眠から醒め、ようやく地上に姿を現しはじめることから「啓蟄」ですが、この時季に鳴る雷を“虫出しの雷”とも云い、冬から春への季節の変わり目には、こういう気象現象が起りがちなのでしょうが、ちょうど今夜が、運悪く、荒れた天気となるとの予報で、でも風雨は嫌なものの、これから降るの雨によって、少しは“天敵”の花粉が、洗い流されることを祈っていますが、いずれにしろ、この時季の日中は、ゴルフ場以外では花粉の飛散する中を、“完全武装”姿で散歩・・・という気分にはなれないものですね。
ただ、そんな折にも、この「啓蟄」の声を耳にすると、ゴルフなど出かけた折には、つい、芝の割れ目を覗いて見てしまうことも多く、そこに“地虫穴を出づ”虫がいたかどうかは別として、眺めてみると、芝生の新芽や小さな花も咲き、虫が苦手な私でも、生きとし生けるもの全ての喜びが感じられて、本当に花粉さえ飛ばなければ、この「啓蟄」とは、暖かくて過ごしやすい春の訪れを告げる言葉で、難しい漢字とは裏腹に、ほのぼのとした季節感が溢れているように思います。
http://www.doblog.com/weblog/myblog/4950?YEAR=2007&MONTH=3&DAY=6&TYPE=4#2618279
 
啓蟄を  啣へて雀飛びにけり   ―川端茅舎
 
それでは、フキノトウの花が咲き、柳の若芽が芽吹き、地中の虫が出づるとともに、春の息吹きが満載な「啓蟄」ですが、今週は『真美さん誕生日会』へと、きっとあなた様のお越しをお待ち申し上げております。
 
♪『真美さん誕生日会』
 
 
♪神野美伽“座長公演” 大相撲『女将さん奮闘記』 at 大阪・新歌舞伎座 〜3月25日まで
http://www.shinkabukiza.co.jp/

   
♪“神野美伽”さんの楽屋にて キリンズ
 
 
♪京都・八坂神社
♪京都・祇園の花見小路“極上の味わいと祇園心のおもてなし”
京懐石料理 『花郷(はなさと)』& 別邸『乾坤(けんこん)』
*京都市東山区祇園町花見小路通り四条下ル    075-561-3311
http://www.gion-hanasato.jp/
 
♪“新鮮な魚介類”が豊富に並ぶ 堺『割烹 新藤』
*大阪府堺市堺区中瓦町1−4−15 TEL 072-221-0544
http://www.sakai-tcb.or.jp/gourmet/shop/shop_data/shindou.html
http://www.kikumasamune.co.jp/guide/list/714/shintou.html
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由美グルメリンNo.3‥Happy birthday to真美♪ 『由美White day party』♪ 『真美さん誕生日会』艶やかなる“桜”♪ “人間は品格、犬は気品”「犬からひとこと」by 伊集院 静 & 長友啓典♪ “辛夷咲く”『泉CC』♪ 彼岸までの“旬魚”銀座『ふぐ福治』♪ 焼酎和酒処&季節の料理. 『英 HANABUSA』銀座本店♪

 
春疾風乙女の訪ふ声吹きさらはれ  ―中村草田男
 
今週は、激しい雨と「春疾風(はるはやて)」からはじまり、“三寒四温”ならず、“一寒六温”のごとく毎日ですが、“風光る”あたたかな午後は、いかがお過ごしですか?

『由美』では、こんな“春荒れ”の週はじめでしたが、お蔭で『真美さん誕生日会』で賑わい、豪華に飾られた“桜”の下で、ひと足早い“花見酒”と洒落込んで、甘美なひとときを過ごせました。

さて、春の季語には、「春暖」「薫風」「春光」「麗らか」「陽炎」「朧月」といった春の穏やかな陽気を感じさせるものだけではなく、春の不安定な天候を表すものも多く、冒頭にあげた「春疾風」や、「春荒れ」「春嵐」「春雷」など、激しいイメージの季語もたくさんあり、中でも、“春の風”については、地域やニュアンスによって、様々な呼び名があり、そのいくつかを挙げてみますと・・・
*春飆(はるはやて)―春のつむじ風 駆け抜ける春風イメージ
*花信風(かしんふう)―「花の季節が来ましたよ」と優しく告げてくれる風。
*春嵐(はるあらし)―冬の眠りを覚ますように終日激しく吹く、春の雷も鳴りそうな感じの風。
*春疾風(はるはやて)―乾燥した春は砂塵も多く、激しく吹きまくり砂塵も巻き上げるような風。
*貝寄風(かいよせ)―四天王寺聖霊会の頃に吹く風で、浜辺に貝殻を吹き寄せる如くの風。
*光風(こうふう)―雨上がりの陽射しを浴びてきらきらとまぶしく流れていく風。
*雄風(ゆうふう)―いかにも雄大に悠々と山野草原海原を渡っていく力強い風。
*東風 (こち)―東風吹かば〜・・・と言いたくなるような春に吹く、東からの柔らかい風。
*穀風(こくふう)― 穀物の成長に働きかける、東からの風
*梅風 (ばいふう)―春を告げる梅の花の香りをとどけるような風。
*春風(はるかぜ)― 春風駘蕩という言葉を思い出すような東や南からの穏やかな風。
*春北風(はるきた・はるならい)―浮かれ気分の春にも、冷たく吹く北風。
*雪解風 (ゆきげかぜ)― 雪解け時期の沢の流れのように、通り過ぎていく風。
*微風 (びふう)― 邪魔にならない程度にかすかにふく春風、軽風。
*花の風(はなのかぜ)―満開の桜の間を吹き抜ける花舞いの風、桜吹雪。
*清明風 (せいめいふう)―春分を境に風も明るさを増し、南東から吹く風。
*彼岸西風(ひがんにし)―釈迦涅槃会の頃に吹く柔らかな西風。涅槃西風。etc・・・
http://www1.odn.ne.jp/kaze/jitenn2.html
http://zouhai.com/cgi-bin/g_disp.cgi?ids=20030330&tit=%90{%8D%B2%8CO%8Eq&tit2=%90{%8D%B2%8CO%8Eq%82%CC

などいろいろで、この弥生の頃の「春疾風」が吹くと、まもなく本格的な春となりますが、と同時に花粉症の人にとっては、厳しい季節の到来(もう既に)なのかもしれませんが、その分、この時季は、掃除に励み、外出先からの花粉を、髪や衣服につけたまま残さないように気をつけましょうね。

 
春北風   楽聖の絵の   ひとならび   ―須佐薫子
 
それでは、この週末は、北風から北東風、東風へと変わり、やがて西風や南風が吹く、そんな気まぐれな“春風”を愉しみに、野や山へと出かけられるようなよき週末をお迎え下さいませ。
 

♪ひと足早い“花見”の宴 『真美さん誕生日』♪
 

♪“人間は品格、犬は気品”「犬からひとこと」 
伊集院 静 & 長友啓典
http://www.ijuin-shizuka.com/news/index.htm

 

♪“はるきた”吹く『泉CC』
http://www.izumicc.com/
 
♪銀座『ふぐ福治』彼岸前の“旬味” *中央区銀座5-11-13 幸田ビル3F
tel 03-5148-2922
http://r.gnavi.co.jp/g997500/

 

♪彼岸までの“旬魚” 銀座『ふぐ福治』 “大分豊後水道から直送”の天然ふぐ
 
♪焼酎和酒処&季節の料理. 『英 HANABUSA 』銀座本店
*中央区銀座6−8−6木の実ビル3F   03-5537-7601
 




















 
由美グルメリンNo.4‥3月12日〜14日♪ 四谷『オテル・ドゥ・ミクニ』での“真美誕生日”♪ 大阪城公園“梅林”♪ 『大相撲大阪場所』“初日観戦”♪ 北新地『ふじ田』名物“ふぐぶつ”♪
 
春の苑 くれなゐにほふ 桃の花 した照る道に 出で立つをとめ 大伴家持(万葉集巻十九)
 
暦では“桃始めて咲く”「啓蟄」次候を迎え、大阪では、やや“寒の戻り”となった週末でしたが、いかがお過ごしでしたか?
キリンズは先週に引き続き、友人の神野美伽さんの大阪「新歌舞伎座」での初“座長公演”「大相撲 女将さん奮闘記」(〜3月25日まで)を観劇しに行き、ついでに、11日から始まった「大相撲大阪場所」の“初日”を観戦し、お蔭で今週も、大阪での楽しいひとときを過ごせ、リフレッシュできた週末でした。
http://www.sumo.or.jp/
http://www.shinkabukiza.co.jp/
さて、今回はそんな合間をぬって、大阪の花の名所を求めて、「花見」へと出かけてみましたが、あいにく“お目当て”「桃ヶ池公園」の“桃”は、開花にはまだ早くて、代わりに「大阪城公園」の梅林へと“梅見”に行き、三分咲きの梅の花の香りを愉しんで参りましたが、古来よりこの“梅見・桃見・桜見”の“三つの花見”には、それぞれに役割があるのをご存じですか?
近年に於いての「花見」とは、“梅”を見るのは“梅見”で、単に“花見”というと“桜”を見ることを指すことが多いようですが、古代、奈良時代の「万葉集」には、桜の40余首に比べ、梅の歌は118首も詠まれていて、花といえば“梅”のことだった時代が存在しますが、それがやがて江戸時代になると、“梅見”は、友人同士で連れ立って、梅の香りと鶯の声を聞いて一句詠むという、文人墨客の風流な催しとなり、また“桜見”は、奉公人が入れ替わる時の歓送迎会を兼ねての催しへと変わり、さらに“桃見”は、つつがなく春を迎えられた喜びを、一家で分かち合う家族揃っての催しとなり、このように「友情を深める梅見」「職人の絆を深める桜見」「家族の絆を確かめ合う桃見」と、それぞれ“三つの花見”の大切な役割が分かりますが、残念なことに今では、ほとんどが“桜見”のみの“花見”となってしまい、でも、この機会に、江戸時代の人たちのように、“梅”や“桃”も愛で、“桜見”以外でも、人と人との絆を大切にする視点を持ちたいものですね。
ところで、この“梅見”の季語は春ですが、実は、冬の季語にも“梅”が存在し、“探梅”“尋梅”“探梅行”などが代表的なものですが、“探梅”とは、文字通り、ほころびはじめた“梅”の花を探すことで、日当たりの良い山裾などで、偶然にひとつふたつ、ようやく咲いている“梅”を見つけた時の喜びは、春はすぐそこだという感激を深め、たとえ花開く“梅”を見つけられなくても、春を求める心が、春を告げる“梅”の花を借りて、“探梅”という言葉を生み出したのでしょうが、庭や公園に植えられた梅を見る“梅見”や“観梅”とはあきらかに違い、何とも風雅な言葉ですね。
http://www.ktr.mlit.go.jp/toukoku/michijyo/06020.htm  
http://www23.big.or.jp/~lereve/saijiki/60.html
http://www.geocities.jp/yousan02/siki-hana-back-02.htm
 
探梅や   枝のさきなる   梅の花   ―高野 素十
 
それでは、『由美』では、今週は、『由美White day party』を催し、みな“白一色”の装いにて、お待ち致しておりますので、どうか今宵も銀座へと、優雅に“探梅”などと洒落た気分で、お越しいただけますこととご来店心よりお待ち申し上げております。
そして冒頭の万葉の歌の如く、春の夜の園に、美しく咲いている“桃の花”に照らされ、輝いて見えるキリンズを今週もよろしくお願い致します。
 
♪『オテル・ドゥ・ミクニ』新館2F “個室”  
*新宿区若葉1-18  tel 3351-3810
http://www.oui-mikuni.co.jp/hoteldemikuni/
♪四谷の洒落た洋館『オテル・ドゥ・ミクニ』での“真美誕生日” 
♪季節限定“黒トリュフコース”
 
♪大阪城
♪大阪城公園“梅林”
 
♪『大相撲大阪場所』“初日”観戦
 

♪北新地『ふじ田』 
*大阪市北区曽根崎新地1-11-7   .tel 06-4799-1287.

   
“間垣親方”&藤田徳美ご夫妻
 
 




















 
由美グルメリンNo.5‥“白一色”White day party♪ 『源 吉兆庵』“春菓撰”♪ にいがた“酒の陣”♪ 無濾過“生酒”「末廣」♪ 魯山人に愛された銀座『久兵衛』本館5階“個室カウンター”「椿」♪ “清水焼に映える”寿し処『原だ』♪
 

冴え返り  冴え返りつつ   春なかば ―西山白雲

 

暦では、まもなく“菜虫蝶と化す”「啓蟄」末候を迎えますが、寒さが「冴え返る」週末は、いかがお過ごしですか?
この「冴え返り」により、桜の開花も当初の予想より遅れ、この様子では、東京は23日頃とのことで、暖冬による“記録的な早咲き”とはならないうえ、先週からの寒さの影響で、場所によっては、昨年よりも2日前後、開花が遅くなりそうで、今週末の“花見”には、まだまだ時期尚早のようですね。
さて、春先に、少し暖かくなりかけたかと思うと、急に寒さがぶり返すことを「冴え返る」と云いますが、“冴ゆ”は光、音、色などの“澄む”意味があり、同じ寒さでも“冷え”が伴う冬の季語で、「冴え返る」の“寒さ”には、そうした冷たさが感じられ、まさに今がその時季で、毎年、春先には、“冴え返りつつ”の実感が湧いてきて、冒頭の句が思い浮かびますが、この“冴え返り”を繰り返しては、ひと雨降るごとに気温が上がって、ようやく本格的な春の到来です。
また、いったん緩んだ地上の“凍て”も、再び元に戻るので、「凍て返る」とか、“寒”が戻る「寒戻り」「冱(いて)返る」「しみ返る」「寒返る」とも云いますが、この「かえる」の言葉は“甚だしいさま”も表し、藤原家隆の「時雨れつるよひの村雲さえかへりふけ行く風にあられふるなり」は、その例で、冬の歌ですが、やがて“戻る”の意味にも、歌で詠まれはじめ、一方「冴え返る」は、月も秋も冬も“冴える”時があるものの、藤原為家の「余寒の心をさえかへり山風あるる常盤木に降りもたまらぬ春の淡雪」の歌から、この歌を嚆矢として、それまで冬の季語とされていた「冴え返る」が余寒、つまり春の季感を表すようになったとされ、その後の連歌時代で、初春のものとされ、現在では早春の言葉として、落ち着くに至っています。
http://www.netlaputa.ne.jp/~yume539/kire/hauku398.htm
http://muratamitsuhiro.at.webry.info/200703/article_1.html
ところで、「冴ゆる」というのは“冴”、“冱”どちらの字も当てますが、“冴(冱)”には、上記“澄む”という意味が含まれ、空気が冷たくなればなるほど、遠くの山まで見通せるように空気が“清く澄む”ことを表しますが、ただ、「冱(いて)返る」となりますと、より具体的な事象に用いているように思え、空気や光など感覚的なものを指すというよりも、例えば解け始めた氷や雪が再び結び、固くなる・・
そんな現象に対して、「冱返る」は用いられ、よりいっそう鮮烈な印象ですが、いずれにしろ“冴”も“冱”も、その寒さと静けさが全身にひしひしと感じられる字ですね。
 
冴え返る   枝もふるへて   猿すべり ― 芥川龍之介
 
それでは、この週末は、“春の淡雪”がちらつくとの予報もあり、山風は荒れ、淡雪散る「冴え返る」寒さが戻るのことですが、どうかくれぐれもお風邪などを引かれませぬようご自愛下さいませ。そして、まだまだ“花見”には、早いようですが、どうか早春の香気漂う清々しい空気の中で、そっと春を待つようなよき休日をお過ごし下さいませ。
 
 
 
 
♪銀座『久兵衛』中央区銀座8-7-6
tel 3571-6523
http://www.kyubey.jp/
♪銀座『久兵衛』本館 5階 「椿」“個室カウンター”
 
 




















 

由美グルメリンNo.6‥“寒の戻り”霙舞う空の下「逗子マリーナ」での“ADMIRAL”進水式♪ “NEW OPEN ”銀座 寿司『なら本』“春告魚”♪ “医食同源”中国薬膳料理 銀座『Xing-Fu』本店の“薬膳スープ”♪

 
西京焼   少し焦がしも   して鰆  ― 稲畑廣太郎
 
暦では、まもなく“雀始めて巣くう”「春分」初候を迎える頃となりますが、この週末は“春”を分ける間際の“寒の戻り”のせいで、関東地方の土曜は曇り空の下を霙が舞い、翌、日曜も久々に天気が良いのにもかかわらず、真冬のような寒さの一日でしたが、いかがお過ごしでしたか?
でももう「暑さ寒さも彼岸まで」などというように、この寒さも「彼岸」までで終わり、今週の「春分の日」には、暖かい光の中で“お墓参り”ができればいいのですが、ようやく近所の公園の桜の蕾も、少しずつですが、ほころびはじめましたね。

さて、この時季の魚を「春告魚」と云い、植物や鳥なら“梅”と“鶯”で答えは一つですが、今号では複数存在すると言われている「春告魚」の種類を調べてみることにしました。

ひと昔前なら「春告魚」といえば“鰊”で、「鰊来たかとカモメに問えばぁ」と、ソーラン節の歌でも有名ですが、“鰊”の旬は春で、北海道蝦夷地では、鰊漁で冬が明け、春の訪れを感じたことから、「春告魚」と呼ばれ、また、“鰊”が多かった日本海沿岸では、春になると海岸に酒を捧げた祭壇を設け、「木幣」(イナウ)を立てて“鰊”を迎える祭りをしたり、古くより、アイヌ人も“鰊”を「神魚」(カムイチェップ)と呼び、崇めていました。
その後、海洋環境の変化や乱獲などが原因で、国産の“鰊”は激減し、今では「幻の魚」と言われる存在になってしまいましたが、その代わりに「春告魚」と呼ばれるようになったのが“メバル”で“早春の魚”として釣り人に珍重されている魚ですが、大和本草には「目ばる・目大なる故名づく。黒赤二色あり、めばるの子を鳴子と云」と書かれ、大きな眼から「目張」と命名されたのでしょうが、この眼の大きさのお蔭で、視力がよく、網や釣り糸を見分けるため獲りにくい魚とされています。
ちなみに、天保2年(1831年)に刊行された魚類辞典「魚鑑」に「状あかをに似て、味ひほぼ同じ」と記され、「あかを」は鯛のことですが、当時“メバル”は鯛と同等に扱われていたことがわかります。
また、その他の地域での「春告魚」は、九州の“シロウオ”、瀬戸内の“鰆”、山口の“サヨリ”など、それぞれの地方によって異なりますが、中でも”鰆”は“魚辺に春”と書くことから、代表的な春の魚で、桜の花盛りの頃に獲れる“鰆”を和歌山では「桜鰆」と呼び、春の使者とされていますが、“春鰆”は、主に関西で、また“寒鰆”は関東で好まれ、俳句では春の季語となっていますが、関西での“鰆”以外の「春告魚」の代表は、何と云っても“イカナゴ”の“新子”で、“イカナゴ”は関西を中心に“カマスゴ”、北日本では“オオナゴ”・“メロウド”などと呼ばれますが、瀬戸内海では、餌の“イカナゴ”を追って鯛、鰆などが浅海にやって来て、「イカナゴは海の幸をもたらす“春告魚”」
(坪内稔典)でもあり、“カマスゴ”は“新子”と“フルセ(2歳魚以上の親魚)”の総称ですが、他にも三月に“旬”を迎える「春告魚」は、長崎・宮崎の“アマダイ”、淡路・三重“イイダコ”、九州“ヨコワ”、和歌山“丸アジ”、山口の“メイタガレイ”、宮崎“カツオ”、積丹・秋田の“鱒”、北海道“ワカサギ”“ズワイガニ”などさまざまで、このように地域や時代のよっても多くの魚に当てはまる気がしますね。
http://www.uoichi.co.jp/info/1703-sakana.html
http://homepage3.nifty.com/TeaTime/k.harutugeuo.html
 
めばる煮て   こころをわかつ   皿二つ  ―古館 曹人
 

それでは、今週はそんな「春告魚」“鰆”の西京焼きや、“めばる”を煮て、そっと彼岸に供えたく思っておりますので、どうか「自然を讃え、生物を慈しむため」のよき「春分の日」をお迎え下さいませ。

 
♪“春の彩り”
 
♪逗子マリーナ “クリスタルヴィラ”ベランダ
♪逗子マリーナ“ADMIRAL”進水式  “ADMIRAL”船内 17, March, 2007
http://www.riviera-r.jp/zushi-marina/index.html
 
 
♪中国薬膳料理 銀座『Xing-Fu』本店  
*中央区銀座6-9-9かねまつビル6F   tel 3289-4245
http://www.xingfu.co.jp/
 
♪銀座 寿し処『原だ』
中央区銀座6-9-13 第1ポールスタービル2F
tel 3575-4007




















 
 

由美グルメリンNo.7‥大阪“ふたつの千秋楽”神野美伽「女将さん奮闘記」&「大相撲大阪場所」♪ 3月20日“OPEN”「Wada Fine Arts」at 築地♪ “幻の九絵料理”大阪・江戸堀『九絵家』♪ 「間垣部屋」大阪“千秋楽打ち上げパーティ” at 「徐園」♪

 
春場所や   水の浪速に   触れ太鼓   ―酒井 武
 
暦では、“桜始めて開く”「春分」次候を迎え、昨日26日の都内の桜は、いよいよ咲き始めた様子で、“早咲きの桜”は、そろそろ見頃を迎えているようですが、この週始めはいかがお過ごしですか?

キリンズの先週末は、桜の開花とともに“二つの千秋楽”の幕が下りた大阪へと行き、友人の歌手神野美伽さんの「新歌舞伎座で」の“初座長公演”「女将さん奮闘記」の“千秋楽”を観劇した上、「大相撲大阪場所」の“千秋楽”も愉しみ、“二つの満員御礼”の下で、多くの感動を味わうことが出来ましたが、その上、今回の大阪では、心の感動のほか、さらに舌でも新たなる感激を味わえ、これぞ“鍋の王様”とも云える“幻の魚”「クエ」を食することができ、お蔭で心身ともにリフレッシュでき贅沢な週末を過ごせました。

さて、この「クエ」とは、「スズキ目ハタ科」に属し、漢字では「九絵」と書かれ、九州地方では「アラ」とも呼ばれる大型の肉食魚ですが、大きいものでは40kg以上にもなり、その味については「ふぐのような上品な白身」である一方、「非常に脂ののった濃厚な白身」で、その甘味と身の締まり、歯ごたえは、ともにふぐにも勝る美味しさで、本物の天然「真クエ」は、漁獲量が極端に少ない故に“幻”といわれ、旬の冬には、浜値でkg=15000円位の高値が付き、とても手の出せない相場になってしまうほどの超高級魚ですが、「クエ」が漢字で「九絵」と書かれる由来は、「九本の縞模様が変化し、体に九つの絵を描き出す」ことから名付けられたそうで、キリンズはこの機会に“クエ専門店”で有名な『九絵家』の「クエ」に“九つの絵”を見つけ、美味極まりない魚味と、究極の日本酒を堪能しました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A8
ところで、「クエ」と「アラ」の違いをご存じですか?この二つは、どちらも超高級魚で美味極まりない魚ですが、あきらかに違う種類の魚で、「日本産魚名大辞典」などをもとに、「アラ」・「クエ」・「マハタ」の地方名を調べると、「アラ」は関東地方から関西での「アラ」の名称または九州でのハタ類の総称で、「クエ」は高知でのハタ類の総称または大阪での「クエ」の名称で、「ハタ」は関東地方での「マハタ」の呼び名のようですが、九州以外での「アラ」とは別名“沖スズキ”で、その「アラ」ではなく、九州では「クエ」を“アラ”と呼ぶわけですからしばしば間違うこともあり、今では店によっては「クエ」で統一されつつありますが、魚も地方ごとの名前をもっと調べなくては、と感じた今回の「クエ」体験でした。 http://www.touoroshi.or.jp/fish2/fish2-45/fish2-45.html
 
徐ろに   眼を移しつつ   初桜    高浜虚子
 
それでは、街の桜の蕾は桃色に染まりはじめ、場所によっては、桜の開花まであと数日の今週ですが、どうか春の匂い立つ香りに包まれて、“初桜”を満喫できるようなよき一週間をお過ごし下さいませ。そして弥生のうちに、また『由美』&『けんたうろす』へのご来店を心よりお待ち申し上げております。
 
 
 
NEW 3月20日“OPEN” *中央区築地3-2-5 第2平和田ビル1F  tel 5848-7172
http://web.mac.com/wadafinearts/iWeb/site/Wada_Fine_Arts_top.html
♪『原 高史展』〜4月28日まで。 オープニング・パーティにて「原 高史氏」&和田友美恵代表
 
♪『けんたうろす』が、「月刊プレーボーイ」5月号で、
“同伴&アフターにとっておきの店”で紹介されました。
http://m-playboy.shueisha.co.jp/playboy_special/index.html
♪『原だ』“由美スペシャル”握り & 『源 吉兆庵』“ぜんざい”
http://www.kitchoan.co.jp/

*寿し処『原だ』中央区銀座6-9-13 第1ポールスタービル2F tel 3575-4007
 
♪幻の九絵料理”大阪・江戸堀『九絵家』
♪“九絵専門店”『九絵家』 
*大阪市西区江戸堀1−27−8 昭和江戸堀ビル1F 06-6448-6720
 
♪3月25日神野美伽「女将さん奮闘記」“千秋楽”&「大相撲大阪場所」“千秋楽”
♪“満員御礼” http://www.sumo.or.jp/
 

 

♪『間垣部屋』千秋楽“打ち上げパーティ” 25, March, 2007 at「徐園」