No.78 |
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由美グルメリンNo.1--【由美節分祭り】♪ 『けんたうろす』2月のカクテル♪ 今年は“東北東”『源
吉兆庵』節分のお菓子「吉方巻き」&「鬼遣らい餅」♪ 銀座『すし処 きたむら』“立春の旬魚”♪ 銀座『寿司なら本』“旬魚の彩り”♪ 『銀座
久兵衛』三代目今田景久氏が仕切る“別館”での“美味探求”♪ |
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臘梅や 雪うち透す 枝のたけ ―芥川龍之介 | |||||||||||||||||||||||||||||
昨日より如月を迎え、暦上では、まもなく“東風凍を解く”「立春」となりますが、冷たい北風に晒された週末は、いかがお過ごしでしたか? |
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さて由美メールNo.549では、寒風の最中に咲く数少ない花として、艶やかに咲き誇る「寒牡丹」について書きましたが、今号では、同じ厳寒の時季に咲き、決して「寒牡丹」のような派手さはないものの、柔らかな色合いと芳醇な香りで、冬枯れの木立に“春を告げる花”として、人々から大切にされている花「臘梅=蝋梅(ロウバイ)」について調べてみましたのでどうかご覧下さいませ。 | |||||||||||||||||||||||||||||
この「蝋梅」とは、元は中国原産で、長江流域に分布し、朝鮮半島を経て渡来したため「唐梅」とも呼ばれますが、“梅”という字がついているものの“梅”とは関係なく(梅はバラ科サクラ属ウメ亜属。「蝋梅」はロウバイ科ロウバイ属)、また「蝋梅」という和名の由来については諸説様々で、臘月(旧暦12月)に咲くからだとか、上記、龍之介の句のように、枝分かれした細い枝いっぱいに、半透明の黄色い可憐な花弁が、蝋細工のような光沢をもって咲く感じからつけられたとされる説などがありますが、中国・明代の医師・李時珍(りじちん)が「本草綱目(ほんぞうこうもく)」で著した「梅と同じ時に咲き、香りが似て、花色が蜜蝋のよう」から、「蝋梅」と名付けられたとする説が有力とされています。 |
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ところで、日本にこの「蝋梅」が渡来したのはいつなのでしょうか? 1708年に成った「大和本草」には、「近年中夏ヨリワタル」と記されていますが、この約百年後に上梓された「本草網目啓蒙」には、「江戸時代初頭の後水尾天皇(1611〜1629)の御世に、朝鮮を経て移入された」あり、そうだとしたら、十四歳の若さで後水尾帝に嫁ぎ、その数年後には中宮となった家康公の孫娘・東福門院和子も、厳冬の京の庭園に咲いた「蝋梅」の花や香りを楽しんだのではないでしょうか? http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/soushun-hana.html その後、幕末になっても、「蝋梅」は珍木として大切にされ、芥川龍之介は「臘梅」にて、 「わが裏庭のほとりに一株の臘梅あり。ことしも亦筑波おろしの寒きに琥珀に似たる数朶の花をつづりぬ。こは本所なるわが家にありしを田端に移し植ゑつるなり」と記していて、嘉永のころ、土屋佐渡守屋敷の向かいにあった芥川家の庭を飾っていたこの「蝋梅」を、「わが家も徳川家瓦解の後は、多からぬ扶持さへ失ひければ・・・今はただひと株の臘梅のみぞ十六世の孫には伝はりたりける。」 とわが家に残る財はそれだけと書き、わざわざ移植するほど珍しい花木っだったことが分かります。 http://www.fururu.net/category/monthly/1135242560 |
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蝋梅や 枝まばらなる 時雨ぞら ―芥川龍之介 | |||||||||||||||||||||||||||||
それでは、今週は如月の白青の空を背景に、蝋細工を思わせる淡黄色の多弁花が群れ咲くこの花を愛でられるようなよき「立春」のひとときを迎えられますことと心よりお祈り致しております。そして、今日のように晴れた日には、殊のほかよく薫る「蝋梅」の清清しい香気に、やがて訪れる春への想いを膨らませながら、【由美節分祭り】へとあなた様のお越しをお待ち申し上げております | |||||||||||||||||||||||||||||
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由美グルメリンNo.2---【由美Valentine's party】♪ 日本一の画商人生「吉井画廊」“吉井長三”の誰も知らない芸術史『銀座画廊物語』♪ 「神野美伽」&「劇団若獅子」との“初共演”『王将』3月28日〜♪ “紅白の梅”が香る『小金井CC』♪ 銀座の路地裏の一軒家“四季旬菜”『かん』♪ 喜び多い“旬の香る鮨と肴”恵比寿『すし処 多喜』♪ | |||||||||||||||||||||||||||||
梅の花 香(か)をかぐはしみ 遠けども心もしのに 君をしぞ思ふ ―市原王「万葉集」 | |||||||||||||||||||||||||||||
暦では“うぐいす鳴く”「立春」次候を迎えましたが、寒暖の差が激しかった週末はいかがお過ごしでしたか? 私は“春近し”土曜日に、紅白の“梅の花がほころぶ”『小金井CC』へとゴルフに出かけておりましたが、今頃の季節を“春隣り”とはよくいったもので、前日から飛散し始めた花粉が心配だったものの、本当に春がすぐ“隣り”までやって来ているような陽気の中で、微かに香る梅の花の匂いを満 喫して参りました。 さて“梅”の歌は、現存する最古の日本漢詩集「懐風藻(かいふうそう)」に葛野王(かどのおおきみ)が詠んだ五言「春日鶯梅を翫ぶ」という絶句が、“梅”を詠んだ最初の詩と言われていますが、「万葉集」では、“梅”は萩に次いで多く119首に詠まれ、この場合は白い花を詠んでいることが多いのですが、鶯が登場する歌も多く詠まれる中で、“梅のふくいくたる薫り”を詠んだものは、掲歌のただ1首のみで、万葉の時代には、花の香りよりも、先ず“梅の花”の美しさに目を奪われていたのでしょうが、その後平安時代の「古今集」になると、“梅の香り”の歌が多く詠われるようになりました。 |
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上記、市原王(いちはらのおおきみ)の歌は、天平宝字二年(758年)二月に、中臣清麻呂(なかとみのきよまろ)の邸宅で催された宴席での歌ですが、「“梅の花の香”を貴ぶように、お慕いする心が強い余り、かえって遠ざかってしまいましたが、心はいつも撓うばかり貴方の方に寄せているのです」と、遠くにいても心が萎れるほどに慕っている想いを詠っていますが、ただ、当時の市原王邸と中臣清麻呂邸はどちらも平城京にあって、そんなに離れているとは思えないのですが、中臣清麻呂を“梅の花の香のように芳しい”方と喩え、たびたび訪問できないことを弁解しながらも、誉め讃えていることが伺えますね。 http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/itihara2.html http://plaza.rakuten.co.jp/tuyama429/ |
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色よりも 香こそあはれと 思ほゆれ たが袖ふれし 宿の梅ぞも ―「古今和歌集」33 | |||||||||||||||||||||||||||||
それでは、雪が消えて庭先には“梅香る”季節となりましたが、今週は、“色よりも香りの方がいとおしく思える・・・”そんな“梅の花”の風雅を愉しめるようなよき一週間をお過ごし下さいませ。 |
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由美グルメリンNo.3----NEW 神野美伽“デビュー25周年記念”『汽笛』 byキングレコード♪ 『細川家の700年 永青文庫の至宝』by新潮社♪ 艶やかなる紅白の“梅林香る”『磯子CC』♪ 暖かい春の陽気の中“白梅ほころぶ”『カメリアヒルズCC』♪ “贅沢な食材尽くし”銀座『ステーキ塩澤』♪ “東京湾とレインボーブリッジを望む絶景”「ホテル日航東京」天麩羅『吉野』♪ |
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春一番 武蔵野の池 波あげて ―水原秋櫻子 | |||||||||||||||||||||||||||||
暦ではまもなく“土が潤い起る”「雨水」初候を迎えますが、先週13日には、例年より2週間早く“春一番”が吹き、まるで初夏の陽気さながらの週末でしたが、いかがお過ごしでしたか? |
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昨日15日も、関東から西では、4月上旬並の暖かさが続いていましたが、14日に比べてると気温も幾分低くなり、今日からはまた下がり始め、今週は真冬の寒さに逆戻りとの予想ですが、“春”とは云っても、今はまだ2月中旬なのですから、この異常な暖かさが長続きするはずもなく、東京は14日の23.9℃から、17日の8度へと、3日間で16度も下がる予想のようですので、くれぐれも日々毎の激しい寒暖の差に、お風邪など召されないようご自愛下さいませ。 |
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さて“春一番”については、既に由美HPのessayNo.42と No.66にて書き、また“春の風の名前”についても、No.55で紹介していますので、今号では、“世界の風”の名前についてを調べてみることにしました。 “風”には、古来よりいろいろな名前や呼び方が存在し、日本に限っても“おろし”とか“だし”、“やまじ”など、関口武著の「風の事典」(原書房)には、日本各地の“風の名前”が、2000以上も書かれており、吉野正敏著の「世界の風・日本の風」(気象ブックス・成山堂)では、人間に益を与える風の中で、最もよい名前と思われる“風”が、秋田県田沢湖町の“宝風”とされており、高温で乾燥したこの“風”によって、よいお米が獲れることからの由来ですが、いったい世界全体では、どれだけの“風の名前”があるのでしょうか、日本での数から考えても、想像もつかない数なのでしょうが、ちなみに、かわいい名前では、北アメリカロッキー山脈の“雪食いさん(Snow eaters)”シヌックの名が知られています。 また、塩野七生著の「海の都の物語」(中公文庫)には、地中海を制覇したヴェネチアの船乗りが呼んでいた風の名前が出ていますが、地中海周辺の国の名前がついているものは、北東のギリシアの方から吹く「グレコ」と、東南のシリアの方から吹く「シロッコ」。そして南西のリヴィアの方から吹く「リベッチオ」。方角そのものが呼び名になっているのは、南の風「アウストロ」で、東の風「レヴァンテ」と西の風「ポネンテ」も、太陽が昇る方向と沈む方向の意味からですが、北の風は「トラモンターナ」で、北の山地を越えてくる風という意味ですが、面白いのは北西の風「マエストラーレ」で、巨匠のマエストロと同じ名前で、地中海文明時代の人々の師匠であったローマ人のいる方から吹く風という意味なのだそうで、フランスやスペインで吹く「ミストラル」も同じ由来の風です。 http://www.seizando.co.jp/htdocs/weather/w020.html http://www.sgm.co.jp/life/sai/2007/07/post_739.html http://www009.upp.so-net.ne.jp/tornado/FLYAIR/No_1.html |
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むめが香や 後のそしりも けふの風 ―千代女「松の声」より | |||||||||||||||||||||||||||||
それでは、のんびりとした春のこんな午後は、どこからともなく、ほんのりとした薄い紅色“むめが香”が、風に吹かれて漂って来ますが、きっと、“けふの風”でこの梅の花も吹き散らされてしまうのでしょうが、今はただ、“春の風”が“梅の香”をここまで運んでくれたことに感謝する・・・そんな風雅なひとときをご一緒に愉しめますことと、今宵もあなた様のご来店を心よりお待ち致しております。 |
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由美グルメリンNo.4--“井上誠一設計”風格と趣あるゴルフコース『浜野GC』でのキリンズ♪ 「スワロスキーラインストーン」で飾られた豪華な“ドンペリ”by WATANABE INVESTMENTS ASIA LTD♪ 2009年度ミシュラン“ひとつ星”銀座『ふぐ福治』大分豊後水道よりの“天然ふぐ”♪ 建築家・隈研吾デザインの“静謐な空間”外苑前、梅窓院敷地内『暗闇坂 宮下 青山店』♪ | |||||||||||||||||||||||||||||
東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ ―菅原道真 | |||||||||||||||||||||||||||||
暦では“霞始めてたなびく”「雨水」次候を迎えましたが、春の匂いを運ぶ“梅東風”吹く週末はいかがお過ごしでしたが? キリンズは、井上誠一設計の風格あるゴルフコース「浜野GC」で、“東風”吹き荒ぶの中、花粉を浴びながらプレーをして参りましたが、紅梅が寒風に晒されながらも、辺り一面によい香を漂わせてくれ、道真由来の「飛梅」のごとくボールを追って、微かな春の匂いを感じさせてくれていました。 |
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さて、掲歌に詠まれている「東風(こち)」とは、東方から吹いてくる荒い風のことで、“春を告げる風”とも言われ、年が明けて初めて吹く東風のことを「初東風」と呼んだり、「梅東風」「桜東風」「鰆東風」などと、そのとき咲く花や、捕れる魚の名のついた呼び名もありますが、文学上では「春風」の総称で、二十四節気・七十二候にも、「立春」初候に「東風解凍」(とうふうこおりをとく)と記されています。 | |||||||||||||||||||||||||||||
また、気象学上に於いても、春は、移動性低気圧が通り過ぎる季節なので、いろいろな方向から風が吹き、吹く風も様々で、決して“東からの風”だけが春を代表する風ではないのですが、コリオリの力のことで考えると、“東からの風”となるためには、元の風向きは“北からの風”となり、このことからも「東風」は、春の温かい風ではないことが考えられ、強い風は「荒東風(あらごち)」、海上では時化ることが多いので「東風時化(こちしけ)」とも呼ばれて、それだけ警戒されていました。 |
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ところで、菅原道真は「天神」とされていますが、遥か古のギリシア神話では、「風神王」アイオロス(Aeolus)は、気分によって、そよ風、疾風、暴風、貿易風などを吹かせ、東風神エウロス(Eurus)、西風神ゼピュロス(Zephyros)、南風神ノトス(Notos)、北風神ボレアス(Boreas)の風神たちを支配する力を持つとされ、それぞれの神は、エウロスは、よい天気の日でも機嫌が悪くなると、急に突風を起こす気まぐれな神で、ゼフィロスは、春に来る最も恵みの深い風神で、雪を融かし、雨を齎し、花を咲かせて作物を育てる神とされ、ノトスは、暖かい風の神ですが、疫病を運んできたり、作物をだめにしてしまうこともあり、ボレアスは、狂暴で恐れられ、嵐を起こす神とされていました。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1410726619 | |||||||||||||||||||||||||||||
東風吹くや 耳あらはるゝ うなゐ髪 ―杉田久女 | |||||||||||||||||||||||||||||
それでは、北風が緩み、雨をともなって柔らかい“東風”が吹いてくる季節となりましたが、春に吹く「強東風(つよごち)」はまだまだ冷たく吹き曝し、梅や桃の花びらが必死に耐えている・・・そんな花々の健気な様を、公園や庭先でそっと愛でられるようなよき一週間をお過ごし下さいませ。そして、東風神エウロスの気まぐれな突風に負けないよう、一日も早く、西風神ゼピュロスが吹かす、暖かい恵みの風を待ち望みながら、今宵もあなた様のご来店を心よりお待ち申し上げております。 | |||||||||||||||||||||||||||||
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