No.63 |
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由美グルメリン No.1‥“秋晴れ”の『由美ゴルフ会』 at カメリアヒルズCC♪ 『けんたうろす』11月のカクテル“秋色の郷愁”♪ “旬の味”上海蟹上陸『Xing-fu
銀座本店』♪ “贅沢な食材”『銀座ステーキ塩澤』♪
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天広く 地ひろく秋も ゆく秋ぞ ―小林一茶 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
暦では“椿開き始む”「立冬」初候となりましたが、爽やかな「秋晴れ」の週末は、いかがお過
ごしですか? 先週の日曜日に『由美』では、抜けるように澄み切った青空の下、2007年度のゴルフ会を 「カメリアヒルズCC」にて開催させていただきましたが、お蔭で素晴らしい晴天に恵まれ、盛況のうちに無事終了致しましたことと、ここにご報告させていただくとともに、ご参加下さった方々や、景品をご提供下さった方々には、厚くお礼申し上げます。 |
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さて、明日からはややぐずつくとの予想のこの青空ですが、「秋晴れ」とは(essayNo.62
グルメリンNo.5にも書きましたが)、秋の特徴の一つで“高く青い空”を云い、この季節は低気圧の通過による“秋雨”によって大気中のチリが落ち、その後にやって来る高気圧によって、低温で乾燥した空気が大陸から運ばれ、“澄み渡った爽やかな晴天”となりますが、
秋”は春に比べて、散乱粒子のひとつである中国大陸からの砂粒の飛来が少なく、地面が植物に覆われ土埃が舞い上がりにくいため、よりいっそう空気が澄んでいます。 ただ、この「秋晴れ」の快適な時季は、あっという間に過ぎて行き、また秋は統計では、四季の中では一番“晴れの日”が少ないようですので、これからは、まもなく訪れる冬の到来まで、少しでもこの“高く青い空”を満喫したいものですね。 |
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ところで、冬にも「冬晴れ」と云う季語があり、ちょうど今頃の初冬であれば“小春日和”と云い、中でもとくに穏かな好天を“冬麗”“冬うらら”“冬晴るる”などと云いますが、この“小春”の由来は、元は六世紀に編まれた中国最古の年中行事書「荊楚(けいそ)歳時記」に、「十月は天の気和暖にして春に似る。故に小春という」と記されていることからとされ、日本に於いては、その約八百年後、兼好法師が「徒然草」にて、「十月は小春の天気」と記してから、日本に旧暦十月の“小春日和”が定着したと云われていますが、 但し、この“小春”は初冬の晴天のみを表し、一方「冬晴れ」は、冬期中に使われる季語で、とくに太平洋側の冬場は、冬型の気圧配置になると、晴天に恵まれる機会も多いので、「冬晴れ」は何気ない言葉のように思えますが、逆に日本海側では“晴れの日”は珍しいことから、「冬晴れ」は“ただの晴れ”ではなく、きっと太陽をいとおしく感じる大切な言葉なのでしょうね。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
白雲の うしろはるけき 小春かな ―飯田龍太 |
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それでは、季節は秋から冬への橋渡しとなる「立冬」を迎えましたが、この週末は“小春日和”の穏やかな休日となりますことと祈って、今宵もあなた様のご来店を心よりお待ち致しておりますので、霜月も『由美』&『けんたうろす』をよろしくお願い申し上げます。 そして、これから霜が降り、初氷の知らせが届き、だんだんと木枯らしの季節へと移行していきますが、どうか、掲句のごとく“天広く、地ひろい秋”の過ぎ行くのを惜しめるようなよき週末をお迎え下さいませ。 |
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由美グルメリンNo.2‥11月15日“解禁”Nouveau 2007“神のヌーヴォー”『由美Nouveau 祭り』15日&16日present♪ “大分豊後水道よりの天然ふぐ”銀座『福治』♪ “お蔭様で1周年”BAR&RESTAURANT『ボンサルーテ』♪ “初冬の旬魚”銀座『すし処きたむら』♪ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
柴垣を 透く日も冬に 入りにけり ―久保田万太郎 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
暦では、“地始めて凍る”「立冬」次候を迎えましたが、空気の澄んだ“小春日和”の今週は、いかがお過ごしですか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これまでは、晩秋の“朝寒”“夜寒”といった、きゅっと冷えこむ感じがあまり無かった東京ですが、「立冬」を迎え、ようやく朝晩の冷え込みに震える頃となり、まだ秋のつもりでいたのに、いつの間にか自然は確実に冬らしくなり、山川草木の姿、雨の音、風の音にも静かな澄んだ気配が漂い、これからは日ごとに初霜や、初時雨などを目にするのもひとしおですね。http://www.kyoshi.or.jp/j-ka.htm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
さて、「立冬」とは、二十四節気の第19節目にあたり、この時季には、山茶花が蕾を開き始め、金盞花の花の香りが漂い、山間では水が氷り、地面が凍てつき始め、早いところでは雪がちらついて、いよいよ本格的な“冬のはじまり”となりますが、この「立冬」の“立つ”とは、古来より「八雲立つ・虹が立つ・波が立つ」など、自然が忽然と姿を現す様子や、また変化して行く様子を表していて、季節に於ける“立つ”という言葉を考えてみると、生まれる、初めて気配が感じられる、といった意味なのですが、最近では、地球の温暖化が進み、“冬立つ”と言えども11月中旬は、まだ秋の最中で、とくに今年の晩秋は暖かくて、まだしばらくは“冬が立たない”ように思えてならないのですが、ただ、このように季節感がなくなって久しい現代人の暮らしにも、古より大切にされてきた日本人の自然観が、まだこんな言葉に残されているのは、季節ごとの豊かな詩情が感じられ、四季の恩恵に授かる日本人独特の感性が感じられて嬉しく思えますね。 |
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音たてて 立冬の道 掃かれけり ―岸田稚魚 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
それでは、だんだん陽の光も弱く、日脚も目立って短くなり、これからは日ごとに冬の気配が感じられるようになることでしょうが、どうか身も心も引き締まるこんな初冬の“小春日和”のひとときは、今宵も『由美』&『けんたうろす』へのご来店を心よりお待ち申し上げております。 そして、昨日11月15日“解禁”の「Beaujolais Nouveau」“神のヌーヴォー”を、きっと『由美』にてご一緒にご賞味いただけますことと、楽しみにお待ち致しております。 http://www.e-1day.jp/morning/manga/kaminoshizuku.html http://www.mercian.co.jp/wine/beaujolais/ |
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由美グルメリンNo.3‥-小春日和の『太平洋クラブ 御殿場コース』♪ “2007年松阪チャンピオン牛”はつふく号入荷『築地さとう』〜11月末日♪ 京橋の一角“伝統のフレンチ”『シェ イノ』♪ “こだわりの旬魚”銀座『なら本』♪ |
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水仙は白妙ごろもきよそへど恋人持たず香のみを炊く ―与謝野晶子 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
昨日の東京では、去年より6日遅れの「木枯らし1号」が吹き、日中の暖かさと裏腹に、日没後は積もる落葉で冬めいた休日でしたが、いかがお過ごしでしたか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
さて、暦上では、冬が訪れる「立冬」末候は、“金盞花香し”で、木枯らしがその甘い花の香りを運んでくれるのでしょうが、この金盞(きんせん)とは「水仙」の異名で、元は中国からの漢名で、“黄金の杯”を表し、「金盞銀台」とも呼ばれ、“水中の仙人”の意味なのですが、それが「水仙」と名付けられたのは、この花が水の豊かなところを好んで咲き、清らかで香しく、生命力の強い様子からなのでしょうね。 |
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ところで、「水仙」はヒガンバナ科に属する多年草ですが、原産地は中国ではなく、夏に高温乾燥期を迎え、多くの球根植物を産する地中海地方とされており、その原種は、変種や亜種を含めて60種類以上ありますが、そんな中、シルクロードを経て中国に渡り、日本の海岸地帯に根付いて広がったのが、最も早く花を咲かせる「ニホンスイセン(房咲きスイセン)」で、日本への伝来は、いつ頃のことか明確でないものの、この花が、日本の歴史に登場するのは室町時代からで、当時の漢和辞書「下学集」には、雪の中でも咲くことから、漢名「水仙華」に加えて、和名「雪中花」と記され、その後、安土桃山時代以降は、生け花や茶花として、江戸時代には着物や、美術工芸のデザイン、俳句の題材等として、その風情が愛でられ、“和の文化”に根付いった歴史がありますが、古より“雪の中を輝くように咲く”「雪中花」とは実に優雅な名前ですね。 |
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ちなみに優雅さのついでに、「水仙」の他の別称を紹介させていただきますと、“金の盃に銀の台” という意味の上記「金盞銀台(きんさんぎんだい)」にはじまり、“玉のように鮮やかに輝く”「玉玲瓏(ぎょくれいろう)」「春玉」「長寿花」「雅客」「凌波子」等の名がありますが、木枯らしに吹かれながらも、凛とした姿で水辺に佇む「水仙」の姿が、こうしている今も目に浮かぶような名前ばかりですね。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
真中の小さき黄色の盃に甘き香もれる水仙の花 ―木下利玄
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それでは今週は、「水仙」の“黄色の盃”からもれる“甘き香”だけで、庭のどこかに咲いているのかと、清楚なこの花の風情がそっと冬空に感じられるようなよき一週間をお過ごし下さいませ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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由美グルメリンNo.4‥“12.1Roadshow”映画『椿 三十郎』♪ 舞台『ナツひとり』“届かなかった手紙”〜26日迄♪ 紅葉輝く『カメリアヒルズCC』♪ 東京から始まるアジアの物語「ミシュランガイド東京」“三ツ星”を獲得『銀座小十』♪ 『GQ 1月号』特集“100人行きつけの寿司屋”♪ “北大路魯山人や志賀直哉も愛した”『銀座 久兵衛』別館♪ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
この男、時代を超えて生きている。 ―映画『椿 三十郎』森田芳光監督作品より | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
暦ではまもなく“北風木の葉を払う”「小雪」次候を迎える頃となりましたが、柔らかな日差しの“冬晴れ”の三連休は、いかがお過ごしでしたか? キリンズの三連休は、行楽帰りの渋滞を逃れようとアクアラインを渡り、千葉『カメリアヒルズCC』にて、ゴルフを愉しんだ休日でしたが、今の季節の『カメリアヒルズ』は、まさに“カメリア”の名に相応しく、色とりどりの“椿”や山茶花が美しく咲き乱れ、艶やかな紅葉とともに、“冬晴れ”の青い空に映えておりました。 |
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さて、寒い季節の彩りとして、冬の野山に紅一点の美を添えるこの“椿”ですが、映画界に於いての“椿”も、今、45年の時を経て、あの世界のクロサワが生んだ不滅のヒーロー『椿 三十郎』が、華麗な復活を遂げ、12月1日の公開に向けて、今冬の話題を独占しておりますが、キリンズはひと足早い22日に「六本木ヒルズ」にて、この話題の映画『椿 三十郎』の「完成披露試写会」に招待され、森田芳光監督をはじめ、主演の織田裕二や豊川悦司らの舞台挨拶を見ることができましたが、この森田版“織田三十郎”は、冒頭の台詞のごとく、“時代を超えて生き”、黒澤版“三船三十郎”が持つワイルドさとは対照的に、強気を挫き弱きを助ける、シャイで優しい兄貴的なイメージを残しながらも、見事にアウトローな剣客素浪人を演じ切り、本作を超一級のエンタティンメントに仕上げました。http://www.tsubaki-sanjuro.jp/index.html | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
また、何といっても森田監督のキャラクター作りが素晴らしく、当初は、二枚目過ぎ、やや迫力に欠けるかと思われたと“織田三十郎”でしたが、腕は立つが口は悪い素浪人の姿を、無精ひげに着の身着のままといういでたちのみで存在感を示し、さらに、見て見ぬふりはできない、おせっかいながらも、優しい人情と心意気を、ユーモラスさを交えて、男らしくかっこよく演じ、見せ場である迫力の殺陣でも、黒澤版とのラストシーンとの違いはあるものの、豊川悦司扮する宿敵・室戸半兵衛との動と静のバランスが絶妙で、『椿 三十郎』初体験の映画ファンにも、全く新しい映画として愉しめる作品として蘇りました。http://www.cinemacafe.net/news/cgi/report/2007/11/2916/ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
森田監督自身が、「『椿 三十郎』は、時代劇というジャンルを越えた、現代の息吹を感じる“人間ドラマ”です。今を一所懸命に生きている人々に観てもらいたい。」との熱い想いを語る映画『椿
三十郎』は、まもなく12月1日(土)より全国東宝系にて公開です。 どうか、今冬は“織田三十郎”が、ユーモラスと笑いを織り交ぜながら、若侍たちと活躍するこの痛快時代劇を、是非ご覧いただけますこととよろしくお願い致します。 そして“男らしい”と、思わず唸らせるほど粋な、“森田版”『椿 三十郎』を存分にスクリーンで堪能していただきたく思います。 |
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赤い椿 白い椿と 落ちにけり ―河東碧梧桐 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
それでは今週は、『椿 三十郎』のワンシーンのごとく、庭先や公園などで“赤い椿”や“白い椿”がぽとりと落ちる様を、優雅に眺められるようなよき一週間をお過ごし下さいませ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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由美グルメリンNo.5‥『由美Christmas Party』♪ 『けんたうろす』12月のカクテル“White Christmas”♪ 初冬の陽光の中“紅葉輝く”『磯子CC』♪ 1800゜Fのオーブンで焼くステーキ『RUTH'S CHRIS STEAK HOUSE』“日本上陸”♪ 豊富なグラスワインと和洋折衷のオリジナルフレンチ『シノワ銀座』♪ 『さかもと未明』“シャンソンライヴ”at 水道橋『東京倶楽部』&新刊「殿方、しっかりなさいませ!」♪ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
時雨を急ぐ紅葉狩 時雨を急ぐ紅葉狩 深き山路を尋ねん―謡曲「紅葉狩」 |
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暦では、“橘始めて黄ばむ”「小雪」末候となりましたが、冷たい“時雨”から始まった師走の週はじめはいかがお過ごしですか? 今朝の“時雨”で、師走の遅い銀杏紅葉は、しっとりと濡れ、窓の外では、こうしている今でもしとしと霧のような雨が樹々を濡らしていますが、こんな景色を見て、まず思い浮かぶのが、冒頭の謡曲「紅葉狩」の一節で、冷たい“時雨”に濡れた“紅葉”の葉は、一雨ごとに色の変わるのを“急ぐ”が如く、殊更に艶やかでなまめかしく、なごりの輝きを放っているかのようですね。 |
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さて、謡曲「紅葉狩」の中には、冒頭の句のみならず、「錦を彩る夕時雨」「一村雨の雨宿り」「雨うちそそぐ夜嵐の」と云うような句が次々と出て来て、曲の全体を通して、降りみ降らずみの細かい“時雨”が、終始降り注いでいますが、この謡曲「紅葉狩」とは、鹿狩りのため信濃国戸隠山に分け入った平維茂(たいらのこれもち)が、紅葉の下で宴をひらいている女たちと出会い、勧められるまま盃を重ね酔い伏すと、夢の中で、八幡大菩薩が現われて、女たちは鬼女である旨を告げられ、目を覚ました維茂は、神授の太刀を揮い、鬼女を退治する・・・という物語で、昔から「戸隠山の鬼」として伝わる話に典拠したものですが、維茂は平安末期の武将で、伝説では、悪事をたくらみ戸隠山に流罪になった”もみじ”という女を、維茂が現在の竜虎ケ原で討ち取ったとして、故に「紅葉狩」と云うとあり、地元では毎年10月下旬に、”もみじ”の霊を慰める「紅葉まつり」が行われているそうです。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ところで、古くより、この“時雨”と“紅葉狩”の二つ言葉には、深い結びつきがあるようで、“紅葉狩”の言葉の初出とされる「夫木和歌集」の中の歌に、「時雨ゆく片野の原の紅葉狩 たのむかげなく吹く嵐かな」と、ここで“時雨”と“紅葉狩”が並んで登場していますが、古典に於いてのこの二つの言葉の類概念を調べてみると、百人一首を選んだ藤原定家が、小倉山の山荘を「時雨亭」と名付けていたことに始まるように思え、この小倉山とは、定家自身が、「小倉山 峯のもみじ葉こころあらば いまひとたびの御幸(みゆき)またなん」
と詠んだように、保津川を隔て、嵐山と対する“紅葉”の名所で、そこに営んだ山荘の名の「時雨亭」とは、“紅葉”との結び付きを、いっそう強く感じざる名のように思えます。また、定家は、百人一首の中の、“忍ぶ恋”の絶唱の歌と称される「玉の緒よ絶えなば絶えね
長らえば忍ぶることの弱りもぞする」の作者・式子内親王に、許されぬ恋心を抱き、この物語もまた、「定家」と名付けた謡曲になっており、そのあらすじは、夕暮れ時、折しも降ってきた時雨に、雨宿りした旅の僧の前に、式子内親王の亡霊が現れて、定家との昔の恋の物語をし、墓を締め付けているツタの呪縛を読経の法力によって解いて欲しいと頼むと云う話ですが、この謡曲「定家」も、全曲を貫くのが“時雨”で、この曲中の、冷え冷えとした感触となって流れる夕暮れの“時雨” は、まさに幽玄の極致のように思えますね。 http://www.k4.dion.ne.jp/~nobk/minoh/sigure.htm http://www5.ocn.ne.jp/~sh00/momiji/momiji.htm |
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それでは、降りそぼる陰鬱な“時雨”は、華やかな“紅葉”を終末へと導く“落葉日”へと“急がしているようですが、今週は、そんな寂しげな“落葉日”を迎える前に、街中でも真紅に染まる美しい“紅葉”を眺められるようなよき一週間をお迎え下さいませ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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